鈴木たろう(協会)は赤坂ドリブンズのメンバーとして「Mリーグ」初代王者に輝いた。チームメンバーである園田賢(最高位戦)、村上淳(最高位戦)はRTDに出場していないため、「Mリーグ」でチーム、「RTD」で個人と二冠を達成できる選手は、鈴木ただひとりとなる。
昨年のRTDリーグ2018では予選1位通過、準決勝も1位通過を決めた。「ずっと調子良かったけど、決勝でつまずいた」と優勝にはオーラス役満条件は残ったものの、4位で昨シーズンを終えた。
今期はリーグ戦からトーナメントへ変更となり、まずはグループCの4回戦に臨む。「最初の2半荘は赤坂ドリブンズのチームカラーでもある期待値を稼ぐ麻雀で戦い、残り2半荘は条件に合わせて打つ」と、勝負どころは後半2戦とにらんでいる。
“ゼウス”とも呼ばれる神がかり的な選択で、見る者を圧倒し続ける鈴木は、アガるための仕掛けより、相手の出方を見るための仕掛けを繰り出すことも多い。「(今期から)赤牌ありとなると、仕掛けの牽制はあまり効かない。押し返す手牌が出来やすいので、仕掛けの牽制は控えめにしようかと。控えめな人より控えていない可能性もあるんですが」と鈴木節。
対戦相手はMリーグでも戦った佐々木寿人(連盟)と松本吉弘(協会)、そして新規参戦となる藤崎智(連盟)だ。「メンバーに関しては厳しいグループに入った」と見ているが「相手の打ち方で自分の打ち筋を微調整することはあっても、影響することはさほどない」と相手より、状況に重きを置く。
そして視聴ポイントのひとつとして、あえて「オリ方」をあげた。「ただオリるだけではなく、復活するオリ方もあるし、他家を楽にさせないオリ方だったり、逆にわざと楽にさせるオリ方だったり。自分がダメで攻められない時であっても、何が得かを常に考えています」と展開に身を委ねるのではなく、展開を打開する打牌にも揺るぎない自信を持つ。
RTDトーナメント2016王者・多井隆晴(RMU)、2017王者・平賀聡彦(最高位戦)、2018王者・小林剛(麻将連合)と、ここまで過去3人のチャンピオンが敗退した。「麻雀って勝ち続けることが本当に難しいとは思うんですけど、結果的にいつも上の方にいる成績を残せたら」と真顔になり「当然優勝を狙っていきます」と宣言。
Mリーグ初代王者は、いかなる状況下でも、自ら道を切り拓いていく。【福山純生(雀聖アワー)】
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDトーナメント2019 2016年から3年に渡り行われてきた「RTDリーグ」から、トーナメント方式に変更。昨年行われた「RTDリーグ2018」の予選リーグ(WHITE・BLACK)の上位各6人、推薦枠として2人の計14人に加え、予選リーグ7位の2人と新規参戦2人の4人による入れ替え戦(サバイバルマッチ)から上位2人が本戦に進み、計16人で行われる。16人はA~Dの4グループに分かれ、半荘4回戦で対戦。トータル2位が準々決勝A(上位3人が準決勝進出)、同3位が準々決勝B(上位1人が準決勝進出)へ、同1位は準決勝(上位4人が決勝進出)に進む。主なルールは一発・裏ドラ・赤(各種1枚)あり、全自動卓による自動配牌のMリーグルール。
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