「徹底的に打ちのめされた方が、人生に彩りやストーリーが生まれてラッキーだよなって思ってる。農作物の肥料がウン◯なら、人生の肥料はクソリプやクソ記事で。」ZOZOの前澤友作社長がツイートで言及したクソみたいなリプライ、通称"クソリプ"。フォロワーの多い人や、注目を集めたツイートには必ずと言っていいほど投稿されるのが現状だ。
そこで7日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、出演者が悩まされる「クソリプ」の実態と正しい対処法を考えた。
■"ビッグニュースがあります"に"出産?妊娠?"
そもそもクソリプの定義とは何なのか。社会学者の塚越健司氏は「クソの定義ができたら、もっと分かりやすくなる(笑)。何がクソなのかは人によって違っていて、誹謗中傷したくてしている人と、そうでない人がいる。さらに書き込んだ本人は面白い、ネタだと思っていても、受けてからすると寒い、腹が立つ、つまりクソリプだという受け取られるケースもある。"クソうまい"とか"クソかわいい"と言うように、いい意味で使われる場合もある。そこの違いも面白いと思うし、重要だと思う。アイコンを女性にするとセクハラ投稿が山ほどきて、男性に変えただけで減るというのがあった。悲しい事実だ」と話す。
株式会社「ウツワ」代表のハヤカワ五味氏は「アイコンを実写にするとクソリプが10倍くらい来るので、ここ5、6年くらいはイラストにしている。それでも私の"後ほどビッグニュースがあります!"というツイートに"出産?妊娠?"というのが返ってきた。経営者として投稿しているのに、なんでこういうこと送られてくるんだろうと、腸が煮えくりかえった。三木谷さんや孫さんに、そんなリプライは絶対に無い」と憤る。
元経産官僚の宇佐美典也氏は「炎上が一通り終わった時、今日は休戦にしようよ、もうやめてくれよというつもりで、寝る前に"おれもここ数日で大分嫌われてしまったなー"と投稿した。それに対して来たのが、"ああ、大嫌いになったよ"と。面白くない、ユーモアがない、かつ話の広がりがない、双方向でもない、何にもない。ただ品性がないだけ。ムカついて傷つくだけ。こういうのが何十件もくると寝付けなくなる」と怒りをぶちまけた。
いつも一言つぶやくだけで結構な数のクソリプが寄せられるという作家の乙武洋匡氏は「湯船に浸かって寝るという人がいるが、僕はクソリプに浸かって寝る」と苦笑しつつ、「"あ、今日ヒゲ剃るの忘れてた…"とつぶやいただけで、"表に出るなよ!ゲスが!"ときた。外出すら許されないのかとビックリした(笑)」と直近の事例を披露した。
■パンサー向井の一風変わった"戦い方"とは
では、クソリプに対してはどのように振る舞えば良いのだろうか。
ハヤカワ氏は「私は許したくないタイプなので、基本的にミュートするか、止めろとツイートするし、積極的にブロックもする。ただ、ミュートしただけでは他のユーザーからは私のツイートにぶら下がっているのが見えるのが難点」、宇佐美氏は「はらわた煮えくり返っているけど、それを何とか自分の中で処理するって感じ。1回はちゃんと相手するし、2回はセーフだけど、3回やったらもうブロックする」。
また、乙武氏は「僕は今まで返す派だった。だけど、"乙武さんはメンタルが強いから返して面白がれるかもしれないけど、私たちフォロワーはやりとりを見ていて辛くなる。頼むからブロックしてほしい"という意見も増えてきた。ハヤカワさんが言ったように、晒されたままにしておいてもいいのかということなので、ブロックすることも必要なのかなと悩む」。紗倉まなは「私の場合、職業柄"下ネタ系"が多い。それでも引用リツイートで大喜利のように返してみると、"やるじゃんお前"みたいな返答がくる。逆にブロックをすると"マジこいつ感じ悪い。見損なった"と言われることもある。その線引きが難しく、扱い方にずっと苦労している」と語った。
一方、お笑いトリオ・パンサーの向井慧は「クソリプをしているアカウントがフォローしているタレントを見て、こんなやつしかフォローしてないやつだったら全然評価されなくていいや、と浄化できる(笑)」と告白。「ファン目線で言えば、好きなタレントさん、芸人さんがクソリプに返していたら、ちょっとショックと思うから、自分のアカウントは返さずに担当しているラジオ番組のアカウントでいいねをして、番組内で反論していくということをやっている。ラジオのネタをありがとうという気持ちになる」と独自の対処法を明かした。
塚越氏は「リプライに反応していると、たまたま見落としただけなのに、"本当のこと言われたから返さないんだな"と言われるケースもある。つまり、わざとやらなかったことをやったと思われてしまう。一般の、匿名の人の方が力は強いというのはそういうことだが、最も許せないということに関しては反論をある程度はしないといけない。そうしないと世の中で定説になってしまう。それも本当に厳しい」と指摘。
「不適切な投稿、あまりにも罵倒がひどい場合はTwitter社に報告をすることで、場合によっては相手のアカウントを凍結させることもできる。難しいのは、自動で対応しているので、報告をしまくった有名人側のアカウントが一時的に凍結されてしまうこともあるし、報告することでさらに攻撃される場合もある。それでも殺害予告や爆破予告は絶対ダメ。セクハラのようなハラスメントや誹謗中傷とは頑張って戦うこともできるが、かかる時間や弁護士費用を考えると、効果は非常に悪いと言わざるを得ないし、一般人がそれをやるのは相当大変。現状は泣き寝入りが多い」とも話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)










