
(タッグトーナメントでは敗れた藤本だが、高速の試合展開は見応え充分。若手の成長を感じさせるトーナメントになった
)
昨年のプロレス大賞で「女子プロレス大賞」を受賞したアイスリボンの藤本つかさは、団体の取締役選手代表でもある。“つっか”の愛称で知られる藤本はトップ選手として活躍するだけでなく、女子プロレスの新たな全盛期を目指して企業とのコラボなどさまざまな企画を実現。プロデューサー、アイスリボンの“顔”としての役割を果たしている。
6月15日には仙台大会を開催。宮城県出身の藤本と宮城もちにとっては地元凱旋興行だ。ここで藤本は、シングルマッチでフリーの山下りなと対戦する。この試合が決まったのは、6月1日の道場マッチ。この日、藤本は「絆トーナメント」準決勝で星いぶきと組み藤田あかね&朝陽と対戦。敗れはしたが、キャリアの浅いいぶきや朝陽の成長が感慨深いと試合後に語った。団体を牽引するする立場として「若手の成長が私のやりがいになっている」と藤本。
そんな藤本に噛みついたのが「打倒・藤本のためにここ(アイスリボン)にきている」という山下だ。負けて感慨深げになっている場合かと、山下は藤本に「去年の藤本つかさはもっとガツガツしてた」「女子プロ大賞取ってつまんなくなった」「今の藤本つかさは倒しがいがない。秒でいける」と挑発を重ねていく。

(食ってかかってきた山下に、藤本(左)は凱旋興行での対戦を要求)
山下曰く、本来の藤本は「心の中の踏み込んでほしくないところに土足でくる」タイプ。相手の痛いところを突かせたら天下一品の“黒さ”があるというわけだ。
この言葉に藤本は「私は相手が言われて嫌なことを思いつくタイプ」。さっそく山下に「メンタル強そうな風貌してるけど、実はガラスのハートなの知ってるよ」と“黒さ”を発揮していくのだった。そして6.15仙台大会でのシングルマッチを要求。自分の凱旋興行、つまり山下にとって完全アウェーの場所で闘うという追い詰めっぷりを見せた。
10代の選手も所属し、明るさや華やかさが魅力のアイスリボン。しかし試合ぶりと同様に感情のぶつかり合いも激しい。そして、そんなすべてをさらけ出すアイスリボンでトップに立ったのが藤本なのだ。SNSでも、周りの評価を気にしすぎると山下の弱点を指摘していた藤本。WAVEのシングル王座など数々のベルトを巻いてきた山下だが、今回ばかりは試練の一戦になりそうだ。藤本の容赦のなさ、いわば“黒つっか”ぶりは、リングの上でも発揮されるだろう。
文・橋本宗洋
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