映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』の完成披露上映会が25日、都内で行われ、乃木坂46の秋元真夏、梅澤美波、齋藤飛鳥、高山一実、与田祐希と岩下力監督が出席した。
2015年7月に公開された『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』に続く、ドキュメンタリー第2弾となる今作。
1期生として乃木坂46の結成当時から活動する秋元・齋藤・高山の3人は、前作からの変化に「(第1弾)当時は1期生・2期生しかメンバーがいなかったので。そこから3期生・4期生もたくさん増えて、グループの層の厚さが増したり、後輩との関係性も新たに生まれてきました。そういう部分で、乃木坂としての仲の良さや関係性も今回描かれているのかなと思います」(秋元)、「第1弾の時は、育った環境とか割と個人に踏み込んだ印象だったんですけど、今回は個人もだけどグループの良さ、みんなでいることの良さが前面に出ている気がしました。同じグループのドキュメンタリーでも全然違うものになるんだなと不思議な感覚でした」(齋藤)、「当時の私はアイドルになった喜び、他のメンバーもアイドルになってからどう歩むべきか、親御さんからアイドルになった娘がどう変わったのかメッセージを受け取ったりしたんですが、第2弾ではそのメンバーが何人も卒業してしまったというのが大きな変化だと思っています。第1弾の時は一緒に活動しているメンバーが卒業していくなんて想像もしていなかったですね」(高山)とコメント。
また、メンバーの間ではいい意味で気をつかうことが減ってきたそうで、秋元が「『これ言っても大丈夫かな』って踏み込んで言えるラインが広がってきました」と話すと、高山も「うんうん。何をやっても許してもらえる安心感もあるし、この子がコンプレックスに感じている部分すらもう全部好きみたいな感じになりましたね(笑)」と賛同。また、高山に「いいんだよ、『私はそうではないです』って本音で言って」と振られた齋藤は「ええ…(笑)。私もあれですよ。ちゃんとメンバーのこと好きだと思いました」と返し、会場の笑いを誘った。
一方、前作公開後の2016年9月に加入した3期生の梅澤と与田。今作で“撮られる側”となったことに「4年前は乃木坂46のファンで、姉を連れて映画館に見に行きました。今こうして第2弾の映画でグループの一員としてスクリーンに映っているというのは、本当に人生何があるかわからないなと改めて思いました。スクリーンに映っているのは間違いなく自分なんですけど、同一人物かなと思うぐらい不思議な感じがしました」(梅澤)、「4年前はアイドルとは縁遠い普通の中学生で、(乃木坂46は)テレビの中のキラキラした存在だったので、まさかこうやって今ここで話しているとは思いませんでした。いつの間にかここにいて、乃木坂のことがいつの間にか好きになって、第2弾の映画に携われて存在できているのが幸せです」(与田)と驚きと喜びを口にする。
そんな変化の大きい乃木坂46を撮ったのが、岩下監督。これまで乃木坂46のライブの舞台裏を追ったドキュメンタリー映像は制作したものの、メンバーのパーソナルな部分はわからないまま映画の撮影に臨んだといい、「ライブに行くとファンが何万人といて、『この人たちがお客さんになるのか』と痛感します。ドキュメンタリーで『ここを撮っていいよ』と言われると、ファンの変わりになって投入されたんだ、日和ってはいけないと撮影の1歩の重みを感じました。撮るからにはカメラが被写体に近いもの、手を伸ばせば届くんじゃないかという画で全編を彩れたら素敵だろうなというのは最初に考えていました」と映画への考えを明かした。
ドキュメンタリーのカメラが入ることについて秋元は「普段別のメイキングカメラが入っていることがアイドルは多いので、ドキュメンタリーだからと意気込んだりする意識はなかったです。だから映画として公開されると怖いんですよ。どれだけ素が映されてしまっているかとかどう思われるかとか、ギャップを知られるのが怖いくらい違和感なく撮影していただきました」と説明。
一方、高山は岩下監督と当初話したこととして「『裏側を映しているようで、カメラを向けられている時点でドキュメンタリーなのか』とネガティブな発言をして申し訳なかったです」と謝罪。カメラの前で本音をどこまで話していいかは悩むというが、「岩下さんから『僕はただ仲良くなりたいんです』と言っていただいて、自分が申し訳ことを言ったと思ったし、いらないことまで喋っちゃうくらいでした」と、岩下監督の言葉で心境が変わったことを明かした。
齋藤も「この人にどこまで話していいんだろう」「もしダメだったら(映像を)切ってくれるのかな」とカメラの前では考えるというが、岩下監督については「インタビューの時に自分の話をしてくださる。それによってこちらも促されて自然と話したりとか、この人がこんなに見せてくれているんだったらこっち側もお返ししたいなと思ったので。だから無理して本音を話したわけではなく、自然な会話の中でポロって出てしまうものを撮っていただきました。監督との会話で『私はこう思ってたんだ』と気付くぐらいでした」と岩下監督の対応に触れた。
3人の感想を聞いていた岩下監督は、「どこまでもなんでもかんでも撮ることだけが正解じゃない、何を撮るべきかと思った時に、人として接して素材を撮っていくべきなんだろうなと。その流れで仲良くしていただきました。素材を見てみたら俺は一体何をやっていたんだと(笑)。監視カメラのように撮っているよりは自分の兄弟とか親の話をしたほうが、体温のある素材が撮れるんじゃないかと思いました」と自身の考えを明かした。
映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』は7月5日(金)より公開。