28日、映画『凪待ち』の初日舞台挨拶が行われ、香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー、白石和彌監督が登壇。『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『麻雀放浪記2020』などにも出演し白石作品の常連である音尾が、白石組初参加となった香取の演技を絶賛する一幕があった。
香取は「いよいよ公開の日を迎えることができました。公開初日からこんなにたくさんの人が来てくれて幸せ者だと思います」と挨拶。香取が本作で演じたのは、恋人を殺され人生どん底まで堕ちてしまうギャンブル依存症の男・郁男役。これまでのイメージにはない役柄だが、音尾は「白石監督の作品にはなんども出せていただいているんですけど、香取さんは監督が撮る映画の世界の住人に見事になっていまして、本当にすごい人だなと実感しました」とそのハマりっぷりを絶賛していた。
舞台挨拶では「『凪待ち』クイズ」コーナーが用意されており、音尾は「石巻での撮影中に僕が釣りをしたのはどこでしょう?」と出題。正解は「旧北上川」で、音尾は「映画の撮影に行って、すぐ白石監督から『音尾くん、ご飯一緒にどう?』って誘ってもらったんですけど、『すみません、俺釣りに行ってきます』といったのがこれです」と説明。白石監督から「香取さんが(撮影で)毎日忙しくて遊ぶ暇も食べる暇もないのに、釣りしてたんだ?」とツッコまれていた。
仲のいい様子を見せる音尾と白石監督だが、香取は「音尾さんは監督と同じ高校で一学年下だから、同じ時期に学校通っていたんですよね」と、同窓生という意外な二人の関係を紹介。「高校時代は交流があったんですか?」とリリーが尋ねると、「全くないです」(白石監督)「一切、見たこともないです」(音尾琢真)ときっぱり。息のあったトークで会場の笑いを誘っていた。
ストーリー
毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男(香取慎吾)は、恋人の亜弓(西田尚美)とその娘・美波(恒松祐里)と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況を変えるために、郁男はギャンブルに手をだしてしまう。
テキスト:堤茜子
写真:You Ishii