舛添氏、韓国への対抗措置に苦言「制裁を止めるシナリオが無い事は問題」 一方では「エースを投入」と評価も
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 今月4日、徴用工問題に絡んだ韓国に対する半導体の材料などの輸出規制強化を受けて、日韓両国に波紋が広がっている。これは昨年10月に韓国の最高裁で下された日本企業に対する賠償命令への事実上の対抗措置という見方もある。この件について安倍首相は3日、日本記者クラブで会見を開き「相手の国が約束を守らないという中においては今までの優遇措置は取れない」と明言した。

 その一方、韓国では5日、2015年に慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づいて韓国で設立された「和解・癒し財団」が正式に解散されるなど、さらなる両国関係の悪化が懸念されている。なお同財団においては、日本政府が拠出した10億円が元慰安婦や遺族に行き渡らず、5億円余りが支給されずに宙に浮いた状態が続いている。西村官房副長官は5日、財団の解散を受けて「日韓合意に照らして極めて遺憾で問題」と発言している。

 一連の問題を受けて、7日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』に出演した国際政治学者の舛添要一氏は「トランプ大統領の大事なところを真似なさい」と発言した。果たして、その真意とはどこにあるのだろうか。

 まず、今回の規制品目にはスマートフォンやテレビなどの画面に使うフッ化ポリイミド、半導体基板に塗る感光材のレジスト、さらに半導体洗浄に使うフッ化水素の3品目がある。これらは4日以降、輸出の際にその旨が適切か否かを審査する期間が生じるため、数カ月間は事実上の輸出停止ということになる。上記品目の世界シェアのうち7割から10割を日本が占めているため、半導体事業が輸出の柱になる韓国にとって今回の措置は大きな打撃となる。舛添氏はこの制裁措置について「初めからエースを持ってきた」と政府の対応を評価する。ただし、その半導体を輸出して商品を製造している日本企業も多く、ゆくゆくは「ブーメランになる」との指摘も付け加えた。

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■『安倍晋三よ、トランプになったのか』

 昨年10月に起こった韓国最高裁での徴用工問題における日本企業の敗訴、さらに慰安婦問題、レーダー照射問題や竹島の領土問題など、日韓両国に山積する課題は多い。また6月に開催されたG20を前に韓国側の対応を期待していた日本政府の期待も外れた。ただし、7月4日から公示された参議院選挙の期間中に制裁を発表すれば、色々と詮索されることもある。そのため1日の制裁発表になったというのが舛添氏の見解だ。では、韓国に対する制裁は今後、どのような展開を迎えるのか。

「普通は喧嘩をするときに相手が謝ったら喧嘩を止める。『いつ止める、どういう条件で止める』ということは決めておくべきだが、そのシナリオが無いことが問題だ」

 そのように話した舛添氏は、今回の日本政府の対応について「トランプ政権にそっくりだ」と話し、次のように続けた。

「対中国では技術を盗むからと関税を上げた。対メキシコでは、移民対策に関連して関税を上乗せした。対北朝鮮では経済制裁を課した。トランプ政権は何でも経済に結び付けている。そのため、いま世界からは『安倍晋三よ、トランプになったのか』と言われている」

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 そこで出てくるのが、先ほどの「トランプ氏のパフォーマンスを真似ろ」である。

 G20の直後、トランプ大統領は北朝鮮に飛び、金正恩朝鮮労働党委員長とともに38度線を笑顔で越えて北朝鮮に入った。この日一日、世界中のテレビはこればかり流した。これでトランプ大統領、金委員長ともにいい人だという印象を与えたうえ、これで何とか(両国間の関係が)片付くという感じになった。一方の安倍首相がG20において韓国の文大統領と話をしたのは8秒足らず。さらに食事の際には韓国の一行を部屋の隅に追いやった。

 この対応について舛添氏は「笑顔で文大統領と話をし、酒でも飲んで焼肉を食べればよかった。そうしたら雰囲気も変わっていた。だからこそ、トランプ大統領のパフォーマンスを真似るべきだと締めくくった。

 先ごろ行われたG20において安倍首相は「貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならない」と発言している。しかし、G20を終えて間もなくの今回の制裁措置である。舛添氏が先述したように、いずれブーメランは戻ってくる。実際にアメリカでも対中貿易戦争によって大豆農家が廃業するなどの実害が出始めている。第一弾の制裁に踏み切った日本政府が今後、日韓関係においてどのような舵取りを行うのか注目だ。

(C)AbemaTV

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