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 「被疑者の特徴は、年齢40歳代の男性、身長175センチくらい、やせ型、面長、短髪、ベージュの作業服上下。被疑者は現在も逃走中であるため、不審者を見かけたら近づかない」。

 熊本県警は9日、藤木寿人容疑者(43)について「緊急治安情報」を発出、同容疑者を公務執行妨害と傷害の疑いで全国に指名手配した。県警によると、その日の朝、警察官6人が覚せい剤取締法違反の検査のため容疑者の自宅を訪れたところ、玄関から出てきた容疑者が前に停めていた紫のトヨタ・ハリアー(ナンバープレートは熊本335、や10-21)に乗って逃走。その際、警察官3人が負傷したという。

 折しも子どもたちが登校していた時間帯。目撃した児童は「速かった。危なかった」と証言しており、猛スピードで走り去る車は近くの防犯カメラにも捉えられていた。その後、車は午前9時30分ごろに福岡県大川市を走行、さらにその2時間後には佐賀県内を走行していたことが分かっているが、以後、所在が確認できなくなっている。警察は藤木容疑者が熊本県に戻った可能性もあると見て、11日夜、県内の宿泊施設を一斉に捜索した。

 同様の事件は、宇都宮でも起きている。覚せい剤取締法違反の罪で起訴され、翌日に保釈金150万円を払い保釈されていた前田寿樹被告(57)が身元引受人宅に住んでいないことが発覚。今月、宇都宮地裁が保釈を取り消していたが、10日の初公判にも現れなかったことから、宇都宮地検が行方を捜している。また、先月19日には神奈川県愛川町で実刑が確定した小林誠容疑者(43)が地検の係官や警察官を振り切り逃走、後に逮捕された事件も起きている。

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 元埼玉県警捜査一課刑事の佐々木成三氏は熊本の事案について「捜索・差押で一番の失態は証拠隠滅をされることと、現場から逃走されること。今回、車自体が捜索差押の対象であったとすればダブルのミスになる。神奈川の事件もあったので、逃走かもしれないという前提で、人員を配置するべきだったと思うし、車で逃げられないように、着手前に覆面パトカーなどの車両で車止めをするなどの対策を取るべきだったと思う。県警としては、もちろん車の追跡調査をやっていると思うが、それ以外にも容疑者の交友関係者の捜査、あとは持っている携帯電話等の位置情報の捜査など、あらゆる可能性を考えながら捜査していると思う」と話す。

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 昨年4月には、愛媛県にある松山刑務所の大井造船作業現場から受刑者が逃走、3週間後に広島市で逮捕された事件、昨年9月には、大阪府・富田林警察署の留置場から容疑者が逃走、49日後に山口県で万引きし取り押さえられる事件もあった。先月19日には神奈川県愛川町での事件もあり、逃走事件が続いている印象もある。

 佐々木氏は「松山刑務所と富田林警察署からの逃走は間違いなく失態で、逃げられること自体がおかしな話だ。ただ、愛川町で発生したものと今回の熊本の案件は難しい部分もある。拘留中の者や判決を受けて拘禁されている者が逃げれば逃走罪となるが、これらはあくまでも自由の身だという前提で逃げたので、逃走罪にはならない。熊本の案件では捜索差押状は持っていっているが、これは家の中での強制捜査はできても、立ち合いは任意。いわば職務質問と同じ状態だ」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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