![豊島将之名人、プロ12年目での奪取に心境語る「心が折れそうな時もありました」](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/b/6/724w/img_b63f522c2470e41bca98ef50dba11f14690190.jpg)
将棋の豊島将之名人(29)が7月19日、都内で行われた名人就位式であいさつし、プロ12年目で初の名人位獲得に「心が折れそうになった時もありました」と振り返った。
豊島名人は、今年4月から行われた七番勝負で、当時の佐藤天彦名人(31)に4連勝のストレートで奪取に成功。名人初挑戦で、平成生まれの棋士としては初めての名人となった。4連勝のポイントとしては、第3局をあげ「最後は負けの局面もあったんですが、指運が幸いして、勝つことができました。この将棋が結果的にはシリーズで大きかったと思います」と語った。
番勝負ではこれ以上ない結果で奪取に成功した豊島名人だったが、壇上でのあいさつで真っ先に口にしたのは、順位戦での苦しみだった。早くからその実力を認められながら、「鬼の棲家」と称される実力者ぞろいのB級1組では苦戦。2013年度からB級1組で戦い始めたが、A級への昇級には4年かかった。「名人戦は子供のころからの憧れでした。ただ棋士になってからは順位戦、なかなか簡単ではありませんでした。B級1組では非常に苦戦をしました」と振り返った。また、A級1年目は序盤好調ながら、終盤に星を落として史上最多6人によるプレーオフに巻き込まれ、結果は挑戦ならず。そんな中で「心が折れそうになった時もありましたが、支えてくださる方、応援してくださる方のおかげで、努力を続けることができました」と感謝を述べた。
名人戦を終えた後も、保持するタイトルの番勝負や、別タイトルへの挑戦権獲得争い、さらには一般棋戦など、対局が続いている。「対局が多く充実した時間を過ごすことができています。名人として総合的な活躍が求められると思っていますので、実績を積み上げて、来期の防衛戦を迎えられるようにと思っています」と抱負を語った。