オリンピックまで1年、日本の飲食店はハラールやヴィーガンへの意識向上は図れるか?
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 開幕まであと1年に迫った東京オリンピック。 前回1964年の東京オリンピックの際には35万人程だった訪日外国人。しかし来年のオリンピック・イヤーには、およそ4000万人になると試算されている。しかし、そのおもてなしの部分だけでも解決すべき問題が山積している。

  訪日外国人に東京の不満な点を尋ねてみると、

 ・「とても湿度が高い。去年タイに旅行したので日本も似たようなものかと思っていたけど」(オーストラリア)

 ・「電車と地下鉄が入り組んでいて、大規模で複雑だと感じた」(エジプト)

 ・「道の汚さが気になる。ゴミ袋がいたるところに積まれていて、暑さもあってとても臭う」(スペイン)

 ・「ヨーロッパの人にとって食べ物の値段が高く感じる」(オランダ)

 ・「空港でSIMカードを買ったが、多くのアプリケーションをダウンロードする必要があり、面倒くさかった」(マレーシア)

 といった声が。さらにネット上には「食券のシステムがよく分からなかった」「アメリカと違って食べ物のサイズが小さい」「両替所少なすぎ」といった投稿も。

 それだけではない。「街中で無料Wi-Fiがつながらない」「Uberが浸透していない」「夜遊びできる場所が少ない」といった問題や、「銭湯の男風呂で女児の入浴は有り得ない」「鴨居が低くて頭をぶつける」といった文化・習慣からくるギャップもある。

■宿泊施設不足、複雑な鉄道網…

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 とりわけ日本人にも関係してくるのがホテル不足だ。一般的なホテルよりも広く、宿泊料金も安いラブホテルを選んで宿泊する訪日外国人も増えているほか、クルーズ船を停泊させて宿泊施設として活用する「ホテルシップ」の導入も決定しているが、大会組織委員会が関係者用に4万6000人分の部屋を仮押さえしていることもあり、期間中の宿泊費は高騰。例えば、新宿区のとあるホテル(18平米、バス・トイレ付、クイーンベッド、食事なし、返金不可プラン)で、今月26日時点の1万2440円(税込)に比べ、来年7月24日は7万4000円(税込)と非常に高額になっていることがわかる。

 一方で、都心からは少し離れた新横浜のとあるホテル(16.9平米、バス・トイレ付、ツインベッド(シングルユース)、食事なし、返金不可プラン)では1万6280円(税込)に対しは2万6319円(税込)、比較的高騰が押さえられているものもある。

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 タイ出身で、訪日観光WEBマガジンなどの運営を行う「MATCHA」のシーソンクラム・カオ統括マネージャーは「私も最初は東京と言えば東京駅、というイメージが強く、そこから徒歩15分でも泊まってしまっていた。電車に乗って15分の15分の駅前徒歩1分のホテルの存在がなかなか伝わらなかったりする。必ず東京都内である必要はないところをどうやって伝えるかということが問題だと思う。ホテルという括りでは足りないかもしれないが今は民泊やゲストハウスも増えてきているし、ホームステイなどの手段もある。そこまで含めれば、全然足りないという訳ではないと思う」と話す。

 ただ、訪日外国人にとっては都心の鉄道網は複雑で、通勤ラッシュは手荷物の多い旅行者にとって移動の際の大きなハードルとなる。カオ氏も「まさに渋谷、新宿、上野、梅田などの駅については出口を徹底的に取り上げた記事公開しているが、面白いのは日本人にもよく読まれているということ。外国人だけでなく、地方から来られた日本人も同じ問題に直面しているということだ」と指摘した。

■まだまだ「食」の意識が低い日本

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 また、訪日外国人にとっても大きな問題の1つとして考えられるのが、「食」の問題だ。宗教上食べられる食材に制限がある人もいる。例えば、豚肉が含まれない食品、アルコールを含まない食品を食べる“ハラール”や動物性のものを一切食べない完全菜食主義者の“ヴィーガン”といった人もいる。

 これにはカオ氏も「不満だらけだ」と話す。「私の会社では外国人が私を含め10人いて、ハラールの人、ヴィーガンの人もいる。私は仏教だが、牛肉が食べられない。"それは何肉ですか"と聞くと"合挽です"や"挽肉です"と言われることも多い。重要なのは牛なのか豚なのかだが、英語対応でも"meet"となってしまう。海外では調理方法や何の肉かを選べることも多いが、日本では提供されているものだけというマインドがあるので難しいが、まずはビーフなのかポークなのか明確にすれば解決することだと思う。

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 パックンも「店員さんが出している食事の中身をあまり分かっていない。ヴィーガンの問題で言えば、例えばスープにかつお節や豚骨や鶏肉を使っていることを店員さんも知らないことが多い。オリンピック開催国としては、ロンドンやパリ、ロスなどと比べて、この面がちょっと遅れている気がする。アメリカのレストランだと、メニューに書いてなくても"ごめん。このチキンをビーフにしてくれる?"と 言えば、"いいよ。値段は変わるかもしれないけど"という柔軟性がある。日本のお店にもそういう対応があれば、日本人も嬉しいのではないか。そういう時のクレーマーが、結局みんなのためになるところもあると思う」とコメント。

 宮澤は「ヴィーガンに対応していないお店があるのは仕方がないと思うが、質問をされたときにはシェフに聞きに行くといった対応のプロセスが必要だ。"これはヴィーガンの方は食べられませんよ。食べられますよ"と説明するだけでもいい。そこでフリーズしてしまい、適当に"入っていないと思います"みたいな感じで終わる場合が多い。オリンピックまで1年という実感はまだ湧いていない感じもあるが、どこに行っても観光客の多さは肌で感じられるようになった。どこまで"おもてなし"をすべきで、どこまでが"郷に従っていただけますか"という線引きもしないといけないと思うが、オリンピックの後も私たちの生活は続く。変えたことによって私たちの生活が便利になることであれば、どんどん取り込んでいった方がいい」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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