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(藤本はワラビーに強引に卍固め。「蕨のために」と、とにかく気合いが入っている)

 女子プロレス団体アイスリボンが、パンクラス王者も輩出しているMMA(総合格闘技)ジム・FREEDOM@OZと合同で大会を開催することになった。10月19日、会場は蕨市民体育館。大会名はズバリ「ありがとう蕨」である。

 アイスリボンとFREEDOM@OZは、ともに蕨市に道場を構え、今年で道場設立10周年。地域密着の活動を大事にしてきたのも共通点で、アイスリボンのジュリアがAbemaTV『格闘代理戦争』に出場した際はFREEDOM@OZで練習したそうだ。

 今回はタイトル通り、道場開設10周年とともに蕨市への感謝を形にするイベント。しかも蕨市市政施工60周年記念行事として、市の後援を受けての開催だ。7月18日にアイスリボン道場で行なわれた記者会見には、アイスリボン取締役選手代表の藤本つかさ、FREEDOM@OZの小塚誠司代表、瀬高英雄蕨市長が出席。さらに蕨市のマスコットキャラ・ワラビーも。

 これまで山手線プロレス、サンリオピューロランドでの試合などさまざまなコラボレーション企画を行なってきたアイスリボンにとって、地元・蕨市と組んでの大会開催は念願がかなった形。会見に試合コスチュームで出席していたことからも、藤本の気合いが分かる。「やっと市長と一緒にプロレスができます。本当に待ち望んでました」と藤本。

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(会見はMMAジム代表、市長、女子プロレスラー、それにマスコットキャラが並ぶ独特の光景に)

 大会はMMA3試合、プロレス3試合を予定しており、ファイターでもあるFREEDOM@OZ・小塚代表の引退試合も行なわれる。その対戦相手は公募で決めるとのこと。「体重は52kg、ガンガン攻めるので熱い試合ができる方、お願いします」と小塚代表。大会開催には「蕨のよさをもっとアピールしたい」という思いもあるという。

「蕨は日本一がたくさんある市です。日本で一番小さな市、日本で一番人口密度が高く、日本で一番早く実がなる蕨リンゴというものも。そこに日本一の女子プロレス団体としてアイスリボンも」と語ったのは瀬高市長。

 藤本は引退試合の相手を募集する小塚代表に「私も体重そのくらい(52kg)ですけど」とアピール、「異種格闘技戦もOKです。私はNGないので」と突っ走る。会見後にはワラビーに卍固めで宣戦布告(?)する場面も。

 MMAのシリアスな試合、しかも引退マッチがあり、その一方でアイスリボンの闘いはほぼ確実にリングには収まらないものになる。かつて後楽園ホールでの場外乱闘が館外→神田明神→山手線となだれ込んだ、その“自由”な闘いぶりを知ってか知らずか、瀬高市長は「みんなを盛り上げていただけると思います」とコメントしてしまい、藤本が「いま市長から何やってもいいと言われましたので」とニヤリとする場面も。プロレス界の“外”を意識すればするほどハメを外すのがアイスリボン。藤本は「開放感のある試合を」とも語っており、無料興行だからこそ何が起きるか、何をやらかすか楽しみだ。

文・橋本宗洋

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