池の中を悠々と泳ぐ“黄金の魚”。その正体は、なんとナマズだ。愛媛県・西条市で発見され、3年ほど前から早朝や夕方に、稀に姿が見られるようになったという。
この“黄金のナマズ”には専門家も驚く。
「強い変異じゃないかなと思いますね。アルビノ(色素不足)も天然ではなかなか珍しいですけれども、黄金と言われるくらい“黄色い色素異常”はさらに珍しいものだと思います」(愛媛県栽培資源研究所・清水孝昭担当係長)
今後、30年くらいは生きる可能性があるという、黄金のナマズ。その姿を楽しむためには“見守り”が大事だといい、「すごく目につくところに堂々と出てきて泳いで、ちょっと心配にもなるくらいなんですけども。周りの皆さんが見守っていただければ鳥からも守れるでしょうし、このまま大きくなってもらえればいいなと思います」(同)とした。
黄金のナマズは突然変異によって誕生したのか。遺伝子解析ベンチャービジネスを展開するジーンクエスト代表取締役の高橋祥子氏は「親にはない遺伝子の変異が、子どもから突然生まれるというのは時々起こること。(黄金のナマズは)突然変異だと思う」との見方を示す。
一方、遺伝子に変異が起こる仕組みとして個体が「DNAのコピー」を失敗することもあるそうで、「私たちの体の中ではDNAのコピーが毎日行われているが、そのコピーをする時にミスをしてしまうことがある。普段、私たちは修復機構を持ってコピーミスを修復しているが、そのミスが修復されないままに増殖してしまうとがん細胞になる。年齢を重ねるほど修復機能が減っていくと言われていて、そこから色々な体の不具合を起こす。最近はそのコピーミスをした細胞を取り除く研究も進められていて、将来的にはがんにならない体を作ることができるようになるかもしれない」と説明した。
さらに、DNAといった体質的な要因ではなく、環境的なきっかけによって性転換をする魚が約500種類いるという。例えば「ブルーヘッド」は、集団の中にオスが少ない場合、成熟後に一番体の大きなメスがオスに性転換。約10日間で性転換が完了するということだ。
その仕組みは今まで解明されていなかったが、オタゴ大学のエリカ・トッド博士の研究で「卵巣の維持に必要な遺伝子をまず停止させ、次に精巣形成を促進するための新しい遺伝回路を作動させる」ということがわかったという。一方で、オスが少ない状況やどのように体の大きい個体を認識しているかはまだ判明していないそうだ。
高橋氏は「私たちも体中の細胞の遺伝子は同じ。ただ、脳で発現している遺伝子と肝臓で発現している遺伝子は違っていて、どの遺伝子が発現するかを制御する機構の一つが、エピジェネティクスと呼ばれるDNAのスイッチのようなもの。魚の性転換もエピジェネティクスが関わっていることがわかった」と説明した上で、哺乳類については「これ(性転換の仕組み)を持っている哺乳類はいないと思うが、こういうメカニズムが解明されたら、人間の性転換への応用も可能になるかもしれないので興味深い」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)







