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(ゴミ缶を頭にかぶせての蹴り(イケメンスラッシュ)もヒット。自由な暴れっぷりを見せたイケメン)

 この春にWRESTLE-1を退団、フリーとして活動している黒潮“イケメン”二郎がDDTのベルトに狙いを定めた。イケメンがフリーになったのは、世界の舞台を目指すため。最近もWWE(NXT)のトライアウトに参加している。だからこそ、今は国内での活動をできるだけ充実させたいと考えているようだ。

 8月3日、恒例のビアガーデン大会(新宿FACE)でイケメンが挑戦するのはEXTREME級選手権。王者・彰人からの指名によるものだ。実は2人は飲み友だち。プライベートはよく知っているもののリングで闘ったことがなかったという。

 これまでもたびたびDDTに参戦してきたイケメンだが、今回はフリーとしてベルトを巻く大きなチャンスだ。EXTREME級王座はチャンピオンが独自にルールを設定できるもので、イケメンとしては対応力も求められる。

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(イケメンはMAOとの対戦で後楽園のバルコニーから落とし合い)

 過去、このベルトをめぐっては「目隠し乳隠しデスマッチ」など自由すぎるルールで試合が行なわれ、彰人は7.15大田区大会で「蛍光灯IPPONデスマッチ」(蛍光灯を一本だけ使用し、割ったら負け)で初防衛に成功している。

 今回も彰人がどんなルールを設定してくるかが大きなポイント。ただ“自由度”が高ければ高いほどイケメンの持ち味が活きてくるはずだ。破天荒な闘いこそ、この男の真骨頂である。

 タイトル挑戦に先立ち、イケメンは7月21日の後楽園ホール大会に参戦。DDT新世代の中でもクレイジーぶりに定評があるMAOとノーDQ(反則裁定なし)マッチで闘った。

 反則裁定なしということは、イコール何やってもOK。イケメンもMAOも水を得た魚でしかなかった。スパイダーマンばりに会場の壁を登ってバルコニーに移動し、互いを客席に落とそうとする両者。さらに観客に配ったハリセンで叩かせ、イスの上に投げつけ、アイディアと度胸と体力のままに暴れまくった。

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(試合後は彰人がリングインし心理戦)

 最後はイケメンがMAOをパイプ椅子に固定し、強引に抑え込んで3カウント。どちらも勝ち負けを超えた充実感を得たようだ。イケメンは「あんな凄い選手だったとは。自分のことだけじゃなく周りも見ないと置いてかれる」。MAOは「(イケメンは)頭おかしい! DDTにいたほうがいいですよ。路上(プロレス)とか出てくれたら新しいことができる。もっと続きがしたい」と語った。

 イケメンにとっては、タイトルマッチに向け弾みがつく闘いでもあったが、試合後のリングに登場した王者・彰人はさっそく心理戦。「初めて会った時は酔っ払って全裸だった」、「彼女に逃げられたって言ってた」と酒の席での話を暴露しまくる。「いま言わなくていいじゃん!」というイケメンのほうが正論だったが、彰人が精神的には優位に立って試合をすることになりそうだ。試合でもどんなプレッシャーをかけられるか分からないのがEXTREME級選手権。今回はメンタルの強さも試されることになる。

文・橋本宗洋

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