将棋の竜王戦決勝トーナメントの準決勝が8月2日に行われ、豊島将之名人(王位、29)が渡辺明三冠(35)を93手で下し、挑戦者決定三番勝負進出を決めた。
過去の対戦成績では7勝15敗、今年度では2勝3敗と苦戦していた渡辺三冠に対し、先手番だった豊島名人は、積極的な指し手を披露。夕食休憩を終えて、夜戦に入ってから鋭い攻めで一気に攻め込むと、序盤はリードされていた持ち時間でも逆転。粘る渡辺三冠の玉をしっかりと寄せ切った。対局後には「最新型の形から、ずっと難しかった。時間をこちらが使う展開になったので。最後の方までわからなかったです」と振り返った。
これで豊島名人は初の挑戦者決定三番勝負が決定。「これまでなかなか竜王戦では、本線には出るものの挑決まで行けなかったので、いつもどおり一局一局行きたいと思います」と語ると、永瀬拓矢叡王(26)と木村一基九段(46)の勝者と対戦については「どちらが来られても強敵なので、積極的に指して自分のよさを出していきたいです」とコメントした。
谷川浩司九段(57)、羽生善治九段(48)、森内俊之九段(48)に続く、史上4人目の「竜王・名人」に向け、若き名人がまた一歩前進した。
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