【ONE】これがDJの底力! 和田竜光、DJと互角の勝負を演じるも判定で惜敗
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 8月2日にフィリピン・マニラで開催されたONE Championship『ONE:DAWN OF HEROES』。ONEフライ級ワールドGP準決勝で、日本の和田竜光と元UFCフライ級王者のデメトリアス・ジョンソン(アメリカ)が対戦。3-0の判定で敗れた。

 ONEに電撃移籍し、初参戦となった3月の日本大会では、フライ級ワールドGP1回戦で若松祐也に一本勝ち。世界一といわれるスピードと技術、フィニッシュ能力を披露したDJ。一方、DEEPフライ級王者として国内では無類の強さを誇ってきた和田も、3月にグスタボ・バラート(キューバ)に苦戦しながら判定勝ちを収めている。

 1ラウンドは完全に和田がジョンソンを圧倒。序盤から軽妙なステップとスイッチを繰り返すジョンソンのスピードに対応しつつ、首相撲で互角に組合い膝を打ち込むと最大の見せ場が訪れる。和田が素早くバックにまわると、ジョンソンの腰から右足に絡ませフックする通称「お竜ロック」からバックのポジションキープ。がっちりとロックしリアネイキドチョークを狙うも、ジョンソンがこれを冷静にディフェンス。一瞬ジョンソンがポジションを上に取るもののガッチリとロックした足が自由にさせない。頭部への打撃を嫌うジョンソンが思わず背を向け、和田がバックを取り肘やパンチ打つシーンが続いた。

 2ラウンドに入っても、スタンドでの速い攻防、首相撲でもジョンソンとイーブン。もしくは組合いに関しては和田が勝ったものの、コーナーを背にした場面でも細かい膝でダメージを積み上げていくジョンソンの上手さが光った。ラウンド後半にジョンソンがタックルを試みるも、フロントチョークぎみに防御、後半サイドポジションを奪われるものの、ここまではほぼ互角だ。

 最終3ラウンド。和田が蹴りの足を捕まれテイクダウンを奪われるが、下からの三角と肘の連打で対抗。ジョンソンも冷静にさばきながらパスガード、ハーフと巧みに抑え込み肘を振り下ろすと、和田が右目横を大きくカットし激しく流血。試合中断から再開後はジョンソンのトップポジションからバックポジションの執拗なキープ。圧巻は再び首相撲となった場面での素早い崩しからバックポジションへの移行。残り1分、和田も決死の覚悟で打撃戦を挑み、最後にバックを狙うがここで試合終了となった。

【ONE】これがDJの底力! 和田竜光、DJと互角の勝負を演じるも判定で惜敗
拡大する

 過去のジョンソンの戦績は28勝3敗。特にUFC王者として君臨した5年間を含む現在に至るまで、ラウンド単位でもペースを握られた試合は多くはない。この試合のラウンド全体を見渡すと、スピードと精度の高さを誇るジョンソンの打撃に適応し、首相撲では和田が上回る場面も多く和田の健闘が光る試合だったと言えるだろう。一方のジョンソンも、拮抗した場面。特に組み合いで見せた膝を打ち込む技術や、3ラウンドで見せたポジションキープの圧倒的テクニックなど、世界最高峰たる所以を発揮した。

 これでトーナメント敗退となった和田竜光だが、世界のDJと実力伯仲の勝負を繰り広げたことで、世界に向けて大きなアピールとなったのは確かだ。ジョンソンを追い込んだことで、ONEのタイトル戦線での存在感、さらには近い将来、タイトルを争うDJとの再戦も期待できそうだ。

(C)AbemaTV

▶映像/あのDJと互角の勝負を繰り広げた和田

手に汗握る目まぐるしい展開
手に汗握る目まぐるしい展開
ONEChampionshipマニラ大会KO集 !
ONEChampionshipマニラ大会KO集 !
この記事の写真をみる(2枚)