(7月30日の会見で発表された「娑鬼」参戦。赤井が描いたその姿は衝撃的だった)
タッグ結成以来、東京女子プロレスのリングで無敗の快進撃を続ける沙希様&操のNEO美威獅鬼軍が、タッグ王座2度目の防衛戦を行なう。舞台は8月25日の後楽園ホール大会だ。
坂崎ユカ&瑞希のマジカルシュガーラビッツを下してベルトを奪取した美軍。初防衛戦では「爆れつシスターズ」天満のどか&愛野ユキに勝っており、団体を代表するタッグチームとの王座戦を連続で制したという結果は大きい。
そこに挑戦の名乗りをあげたのは、アップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩。これまでたびたび美軍と対戦し、何度敗れても立ち向かっている。成長著しい未詩は、美軍との闘いでさらに力をつけたと言ってもいい。
そんな未詩のパートナーを買って出たのはエース・山下実優だ。5.3後楽園でシングル王座から陥落した山下は、沙希様に「最近、存在感がなくて名前も忘れた」とこき下ろされている。その言葉に対する怒りはないという山下だが、タイトルマッチで美軍に存在感を叩きつけてやろうというわけだ。沙希様には2年前、1.4後楽園でのシングルマッチで敗れた因縁もある。
山下と未詩は急造タッグではあるが、個々の実力はタイトル挑戦に申し分ない。7.28大阪大会では鮮やかな連携攻撃を見せてもいる。山下曰く、美軍を上回っているのはまっすぐな気持ち」。未詩はタッグとしての力をさらに高めるため、山下とのシングルマッチを希望した(8.4鶴見大会で対戦)。「私の全力をぶつけて、それを山下さんに受け止めてほしい」と未詩。まさに「まっすぐ」な姿勢と言っていい。
(東京女子プロレスでは山下・未詩組が美軍に挑戦。山下と沙希様の顔合わせは刺激的だ)
迎え撃つ美軍は、挑戦表明を一度は拒否。しかし山下の「怖いんですかぁ?」という挑発を沙希様のエッフェル塔より高いプライドが許さず、試合が決まった。タイトルマッチが行なわれる8.25後楽園大会からは、莫大な予算をかけたと言われるNEO美威獅鬼軍の写真集が発売される。もちろん収支など沙希様の知ったことではないが、防衛と完売でプライドを満たしたいところではあるだろう。
この東京女子プロレスは後楽園ホールの昼興行。夜はDDTの大会となるが、ここに新たな選手が参戦することになった。アメリカから来日する女子怪奇派シュー・ヤンのタッグパートナーとなる、赤井沙希の「遠縁の親戚」だ(朱崇花&真琴と対戦)。
会見で赤井が明かしたその名前は「偶然、同じサキなんですけど、娑婆の鬼と書いて娑鬼(サキ)です」。赤井がその場でスケッチブックに描いたその姿は異様といえばあまりに異様、なおかつ少し可愛くもあり、シュー・ヤンとは超個性派タッグとなりそうだ。赤井からは「UMAではなく人です」、「私と同じ京都で、山奥に住んでます」、「法事でしか会ったことがない」といったボンヤリとした情報も。「ちょっとまだイメージが」という言葉が何を意味するのか分からないが、ともあれ東京女子プロレスでの沙希様に続いてDDTでの娑鬼がどんな暴れっぷりを見せるか、期待したい。
なお、この日は「赤井沙希」の出番はなく、本人は「花火を見に行こうと思ってます」とのことだった。
文・橋本宗洋