将棋の藤井聡太七段(17)が8月6日、順位戦C級1組3回戦で金井恒太六段(33)を92手で下し、無傷の3連勝で首位をキープした。
1、2回戦と快勝してきた藤井七段は、金井六段を相手に、夕食休憩の午後6時までに、28手しか進まない超スローペースの対局の中、少しずつ差を広げて自分のペースに。それでも終盤、金井六段の猛追に苦しめられると、最後は持ち時間も使い切り、1分将棋でなんとか振り切る冷や汗の勝利となった。対局後は「序盤から一手一手、非常に難しい将棋でした。自信のない戦いが続きました。1分将棋に入ってからは全然わからなかったです」と激闘を振り返った。3連勝については「次局以降も一局一局が大事だと思うので、全力を尽くして指せたらと思います」と語った。次戦はベテラン高橋道雄九段(59)と4連勝をかけて戦う。
今期のC級1組には36人の棋士が参加。全棋士が10局ずつ指し、上位2人がB級2組へと昇級する。10戦全勝の場合は、3人以上でも全員が昇級する。藤井七段は昨年、9勝1敗と好成績を収めたものの、前期の成績をもとにした「順位」が、9勝1敗で並んだ4人の中で最も低かったため、昇級を逃した。
今期の順位は「3位」で、既に1位、2位の棋士が黒星を喫しており、3連勝の藤井七段は、現段階で同組首位に立っている。総当たりではないため、昇級には昨期同様に全勝か、それに近い成績が必要だが、この日の勝利で昇級に向けて確実に一歩前進した。
順位戦を勝ち上がった先にあるのは名人だが、史上最年少での名人は、谷川浩司九段(57)が記録を持つ21歳2カ月。この記録を更新するには、今期から3期連続昇級でA級まで駆け上がり、かつA級1期目で挑戦権獲得、奪取する必要がある。
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