「“日本でどうにかしよう”の発想には限界がある」青木真也、ONEマニラ大会での日本人選手の結果を受け持論
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こんにちは。青木真也です。フィリピン帰りです。

マニラに30時間滞在の弾丸でONEフィリピン・マニラ大会の現地レポートをしてきました。「フィリピンに行くんだ!」と周りに話すと、一部のおじさん連中からは「擦り切れるまで遊び倒せよ!」との御言葉を頂き、一部のお姉様方からは「セブやボラカイ最高」との御言葉を頂きます。前を向けないアドバイスに首を傾げてマニラに向かいました。

僕はアジアの食事が合うのでベトナム、タイ、インドネシア、シンガポール、ミャンマーと日本国内でも食べに行くくらい好きです。ただフィリピンは肉がメインのものが多く、得意なものが少ないので中華系のものを選んで食べるようにしています。そうすることで乗り切ることができるし、失敗するのもそれはそれで旅の醍醐味でもあります。

フィリピンは綺麗な街とスラム街が混在していて、これぞアジアな熱気が残っています。平均年収が50万円前後で、その中でも格差が激しい社会なので、格闘技選手は憧れの対象であるし、選手もハングリーだと感じます。実際に僕も2016年にフィリピンのエドゥアルド・フォラヤンに負けたときに彼のハングリーさを感じました。日本で1万ドルもらうのとフィリピンで1万ドルもらうのと話が違います。平均年収の4分の1をもらうのと2年分をもらうのでは目の色が変わってくるでしょう

その意味では選手の立場でフィリピンの格闘技は盛り上がるだろうし、社会としても発展途上の国では格闘技は盛り上がるし、ナショナルヒーローも生まれやすいのです。世界的ボクサーのマニー・パッキャオもフィリピン人です。日本の歴史を見てもそれは明白です。力道山にアントニオ猪木です。フィリピンの格闘技市場は今後も成長していく市場と僕はみています。

「“日本でどうにかしよう”の発想には限界がある」青木真也、ONEマニラ大会での日本人選手の結果を受け持論
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今回のONE、日本人選手の結果は3勝3敗。この結果をどう考えるかはそれぞれあると思います。日本人がどう活躍していくのか。これは日本でどうにかしようの発想には限界があると思うのです。個々が工夫して、海外に出るのもいいし、格闘技以外のことを学んで格闘技に役立てるのもいいし、個々の力を工夫してあげていくのが策なのではないかと考えています。「強くしてもらう」のには限界があります。「工夫して強くなる」しかないのです。コツコツやろう。

フィリピンで食べた炒飯が今まで食べたフィリピン料理の中で外れなかった料理なので写真を置いておきます。

◆文/青木真也(格闘家)

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