としまえん“浮かぶ遊具”の危険性、ライフジャケットに落とし穴も…専門家「氷山の下に潜りこんだようなもの」
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 15日午後2時ごろ、東京・練馬区にある「としまえん」のプールで、8歳の森本優佳さんが溺れているのを監視員が発見。すぐに病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。

 優佳さんは埼玉県・朝霞市から家族と遊びに来ており、当時はライフジャケットを着ていたが、プールに浮かべられた遊具の下に潜りこんだ状態だったという。溺れた原因などは分かっておらず、としまえんは16日、すべてのプールの営業を中止するとしている。

 今回の事故にどのような問題点があったのか。子どもの安全対策に取り組んできたNPO法人「Safe Kids Japan」の理事長で小児科医の山中龍宏氏に話を聞いた。

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 まず、ライフジャケットについて山中氏は「顔が空を見ている状態だったら浮いているわけだが、逆の方向だと顔をつけたままの状態になってしまう。いったんそうなってしまうと、なかなかひっくり返せない。水を飲んだりした時には特に」と指摘する。

 遊具自体の安全対策については、「下に潜り込む状況は考えていない。今回、浮いている遊具も下に入り込まないようにする措置はないのでは。遊具の広さがどのくらいだったかというのも問題だが、簡単に言えば氷山の下にもぐりこんでしまったようなもの。深いプールだと、小さな子どもたちが使うために足場をつける。その下に子どもが入り込んで、出られなくなって溺れた例はある。今その台は、潜りこまないようにフェンスみたいなものがしてある」と説明。水の事故を調査してきた別の団体も、今後遊具の下にネットを張るなどの対策が必要だと話す。

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 また、監視体制については、「外だと反射光なんかがあって、水の中は全然見えない。監視者を何人か置いていてもそこは見えない」と指摘。一方で、「最近では、機械で水の中を監視しているシステムもある。人が沈んで動かないとアラームが鳴って、どこで溺れているかが分かる」という。

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 水中監視システムの1つ「ポセイドン」の画面を見ると、プールの中に人が沈んでいく様子が捉えられている。このカメラの映像を画像処理するなどで検知し、「溺れている」と認識するとその位置がモニターに表示され、監視員は素早く救出に向かうことができる。

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 しかし、屋外や大勢の人が動くようなレジャープール、ライフジャケットを付けた状態で遊具に潜りこんでしまった今回の条件下では、機械だけでは認識が難しい可能性もあるということで、販売するシンコースポーツは監視員の態勢の見直しやこうした状況を作らないような対策が必要だとしている。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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