
大日本プロレスが開催する8月24日、25日の連戦が大注目を浴びている。
24日は後楽園ホール大会。ここでは関本大介vsマイケル・エルガンという世界最高レベルのパワーファイター対決が実現する。まさにファン待望の一戦で、大会チケットは指定席完売という大反響だ。
その翌日、25日には名古屋国際会議場でのビッグマッチ。岡林裕二vs佐藤耕平のストロングヘビー級選手権、木高イサミvsオルカ宇藤のデスマッチヘビー級選手権と2大タイトル戦が組まれた。
ここで正念場を迎えるのが、イサミに挑戦する宇藤だ。7.16後楽園、6人タッグ選手権でイサミから直接勝利して挑戦表明した宇藤だったが、7月30日の前哨戦では敗北。王者から強烈にこき下ろされた。イサミ曰く「お前に足りないのは“感情”だ」。
デスマッチへの愛着やもっと強くなりたいというギラギラした思いが宇藤からは感じられないとイサミ。タイトル挑戦を受けた時点から「前回、挑戦してきた植木嵩行ほどの勢いは感じない」と語っていた。
リング上で宇藤に向かって「帰れ!」と怒鳴り、インタビュースペースでも「這い上がってきてほしいけど、ダメなら潰すしかない」と厳しい言葉を発した。ただ「自分だって同じような経験をしてきてるんで」とも。デスマッチ戦線を盛り上げるためにも、王者であるイサミが誰よりも宇藤の奮起に期待しているはずだ。

一方の宇藤は「人をこき下ろすのが感情なら、僕にはそういうものはない」。気持ちを内に秘めるタイプと言えばいいのか、いわゆる“激情型”ではないため周囲に伝わりにくいところはあるだろう。
であれば、余計に試合内容と結果で答えを出すしかない。このタイトルマッチでは宇藤が試合形式を考案。「蛍光灯オブジェ。先に3個割っても勝ちデスマッチ」という初の試みとなった。これは通常の決着に加え、リング上の蛍光灯タワー、オブジェ5個のうち3個を先に破壊すれば勝ちとなるルール。
どちらが先に蛍光灯を割るかというゲーム性の強い試合で、戦略がより求めらる。デスマッチキャリアの浅い宇藤だが、両選手にとって初体験のルールに活路を見出そうというわけだ。また自分なりの形で、デスマッチに「新しさ」を持ち込みたいという思いもあるという。
これまで本名の宇藤純久で活動してきたが、リングネームを一般公募。長期間かけて募集・先行した結果、20日に発表した。オルカとはシャチのこと。「海の王者にして食物連鎖の頂点であるシャチのようにでかくて賢く強く美しいレスラーに」という意味が込められているという。
激しさや怖さよりも賢く強く美しく、というのが宇藤らしさか。“自分”をぶつけて歴戦のイサミにどこまで迫ることができるか。勝機があるとすれば、それはやはりイサミを超える“新しさ”を見せた時だろう。
文・橋本宗洋
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