8月18日、日本全国の格闘技ファンに衝撃を与えた『堀口恭司vs朝倉海』から遡ること11日。堀口恭司にインタビューを行った。そこで堀口は自らの将来、そして日本で戦うこと、クロスプロモーション構想、UFC。さらにDJことデメトリアス・ジョンソンに対する想いを語っていた。(聞き手・高島学)
── 4年前、デメトリアス・ジョンソンの持つUFC世界フライ級王座に挑戦した時、『次は勝てる』と自信を持って言っていました。
堀口 ハイ。
── あの時、ファンはあの言葉を聞いても『何を言っているんだ?』と思った人が多かったかと。
堀口 まぁ、そういう試合内容でしたからね。
── 堀口選手、そろそろ良いのではないかと。
堀口 何がですか(笑)。
── DJ戦の前、2カ月間に渡り原因不明の胸の痛みが続き、全く組技の練習ができないまま世界挑戦を迎えた。試合の時も組技ができる状態でなかったというのに、あれだけの粘りを見せました。そのことを、もう公にしても良いのではないかと。
堀口 いや、別にいいですよ。そういうのは勝った時に言わないと……。
── あの時も、次は勝てるという言葉の根拠が見えないので、厳しく追及している自分を見て、思わず朴光哲選手がその事実を教えてくれました。でも、堀口選手は絶対に記事に書かないで欲しいと。
堀口 勝ってないですからね。負けた言い訳にしかならない。別に自分は言い訳がしたいわけじゃないし。
── その事実を知らないファンも、今の堀口選手ならDJに勝てると思うようになった。そして今日、ウィザードの話を伺って、次は勝てるという確信が持てました。
堀口 まぁ、そうっスね(笑)。今やれば全然勝てますね。
── だからこそ、あの時の言葉の真意をファンに知って欲しいと思った次第です。
堀口 う~ん、でも今のDJはもう落ちていますよ。だったらUFCのベルトを持っているヘンリー・セフードの方がやりたいです。DJはモチベーションが保てていないのか。この間の試合も見たんですけど、もうやる気が感じられなかったです。
── そこまでとは思わないですが、動きに殺気がなくなったように感じるところはあります。
堀口 練習もそんなにしていないでしょう。パンチを被弾したり、バックを取られたり。UFCであんな試合をしていたら、簡単にやられていたと思いますよ。今のDJだったら、ジョズエ・フォーミガでも簡単に勝っていたと思います。そう思わないですか?
── 私は若松選手や和田選手の頑張りに心が躍っていたので……。
堀口 それって、思っているってことですよね。アハハハハ。分かりますよ。高島さんがどういう風に思っているのか(笑)。
── それでもDJに勝つことは意味があります。そして今、目の前にいる人なら勝つな、と。
堀口 もし仮に自分と戦うとなればDJのモチベーションはメッチャ上がりますよ。堀口 そう思わないですか?
── これ以上、私に同意を求めるのはやめてください(苦笑)。
7400ワードのロングインタビューから、ここでは1100文字分を抜粋した。ベラトール世界バンタム級王座奪取の裏に存在していたアメリカン・トップチームで身に着けた戦い方、自らの成長、そして恩師・二瓶弘宇氏、山本KID徳郁への想い、朝倉海戦への心境が行間から伺えるインタビューは、既に発売中のFight&Life誌面で確認してほしい。
(C) t.SAKUMA/Fight&Life