応募資格は”18歳以下”、上場企業のユーグレナが重要ポストに子どもを募集するワケ
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 「CFO募集 ただし、18歳以下」。地球温暖化や食料問題が深刻化する時代を見据え、ミドリムシなどから地球に優しいバイオ燃料を生成しようと研究開発を進めるユーグレナ社。同社が今月始め、新聞に掲載した広告が話題になっている。CFO(チーフ・フューチャー・オフィサー=最高未来責任者)という役職者を18歳以下限定で募集しているのだ。

 きっかけとなったのは、16歳にしてスウェーデンで環境活動家になったグレタ・トゥーンベリさんの活躍だったという。2018年、第24回気候変動枠組条約締約国会議で「子供を何よりも愛していると言いつつ、皆さんは子供の未来を奪っている」と語りかけたトゥーンベリさんは、金曜日は学校に行かず、スウェーデン議会前で座り込みを続け、「ごく少数の人たちが巨額のお金を儲ける機会のために私たちの文明が犠牲になっている」と主張。こうした行動はSNSで瞬く間に拡散、賛同した150万人の若者が世界各地でストライキを行うなど世界的アクション発展した。

 ユーグレナ取締役副社長の永田暁彦氏は、「温暖化やバイオ燃料については、"本当は温暖化しないんじゃないか""本当にミドリムシで飛行機が飛ぶの?""詐欺なんじゃないか"など、色々なことを言われることもある。ただ一つだけ否定できない事実があるとすれば、それは地球が未来の子どもたちのためにあるということだと思う。それを経営の中心に据えたいということがこの施策の思いの真ん中にあった。そして、18歳以下でも機会が与えられているということに誰も気付いていないので、そのことを提示したかった。私は36歳で、社長の出雲が39歳。30年建てば、ほぼ70歳だ。しかし18歳以下なら30年経っても40代半ば。まさに未来を生きる当事者が議論に関わることに意味があると思っている。CFOという名前についても、適当に子どもを集めたイベントにしたくなかったから。経営を本気でやりたいと思っているので、発言力と実行力のある人を選ぶ。業務委託契約を正式に締結し、報酬も払う。非常に尊重される立場だ」と説明する。

 募集開始から2週間あまり。すでに150人ほどが課題の論文を添えて応募していきているといい、中には10歳もいるという。

 「例えば売上が10分の1になるかもしれないと考えたら、全商品を環境負荷ゼロなものに変えましょうというような提案は今の経営メンバーからは出てこない。そういう提案を無邪気にしてもらうことで、私たちの思考を広げていくというところに期待したい。僕みたいな立場の者が未来を語る時には欲もあったりするが、真っ直ぐに未来のことだけを語ってくれることにハッとさせられる」。

 10代で起業した経験を持つ実業家のハヤカワ五味氏は経営者の立場から「女性で年齢が低いと決定権が与えられにくいと私は感じてきたので、早く歳を重ねたいと言ってきた。実際、18歳以下で決裁権が持てると思ってる人はいないと思うので、この試みをきっかけに、こういうことが広まってくれると嬉しい」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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