27日、柴山文部科学大臣が会見で触れた、演説中の“ヤジ”。今月25日に投開票が行われた埼玉県知事選で、柴山大臣が青島健太候補の応援に駆けつけた際にヤジがあったという。
「私が街宣車に上って演説を始めるや否や、多くの聴衆や街頭演説の準備をしていた方々がいた街宣車の後ろの部分から、『柴山辞めろ』『民間試験撤廃』と大声で怒鳴る声が響いてきた」
声をあげたのは大学入試改革に反対する大学生。柴山大臣はTwitterで「わめき散らす声は鮮明にその場にいた誰の耳にも届いた」とも述べている。
この件で議論が過熱したのが“選挙演説とヤジ”について。演説中、度々ヤジを飛ばされるのが安倍総理だ。7月の参院選で総裁として北海道へ応援に駆けつけた際には、ヤジを飛ばした男性らが警察官に排除されるという騒動にまで発展した。
こうした演説中のヤジについては、「選挙の妨害活動である」という意見の一方で、「表現の自由の範疇ではないのか」との考えを示す人もいる。弁護士でもある柴山大臣は会見で「表現の自由は最大限保障されなければいけないことは当然だが、選挙活動の円滑・自由というのも非常に重要な権利」「通りがかりでヤジを発するということはともかく、大声を出したりというのは権利として保障されているとは言えないのではないか」と自身の考えを述べた。
この件について、AbemaTV『けやきヒルズ』が仲岡しゅん弁護士に話を聞いたところ、「政治に対する批評は表現の自由の中でも最も尊重されなければならない。公職選挙法225条第2号にある『演説妨害』は慎重に判断されるべき」との見方を示す。また、過去の判例から、「演説の遂行に支障を来さない程度の多少のヤジや質問は許される。演説が聞き取れないほど執拗で、演説が一時中止に追い込まれるようなものが演説妨害」と指摘した。
一方、東京工業大学准教授の西田亮介氏は、安倍総理の演説中にヤジを飛ばした男性らが警察官に排除されたことに警鐘を鳴らす。「選挙の自由妨害罪の取り締まりはかなり慎重に運用されている」とした上で、「埼玉は柴山大臣の国会議員としての選挙区で、警察も神経を尖らせていた部分はあると思うが、政治と警察が一体的に動くのは好ましくない。警察も逮捕ではなく排除をしているわけだが、まさに政権の意図を忖度しているようだ」と指摘。
また、警察の介入に予防的な側面があったことが重要だとし、「問題が起きてはいけないだろうということで、警察は男性らを排除したが、警察の予防的介入は認めだすと際限がなくなりがち。当然警察も政治も慎重でなければいけないことで、それに対して大臣が警察は黙って見ているべきなのか(柴山大臣が『大集団になるまで警察は黙って見ていろと?』とツイート)などと公言するのは明らかに間違っている。言うまでもなく政治と警察は抑制的であるべきだ」と意見した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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