地上波未公開シーンを含めた完全版「しくじり先生 俺みたいになるな!!」が、AbemaTV(アべマTV)で放送された。
番組には“担任役”としてオードリーの若林正恭、“生徒役”として平成ノブシコブシの吉村崇、ハライチの澤部佑、女優の岡本夏美、モデルの中野恵那、お笑いコンビの霜降り明星が出演。今回は「キャパオーバーで飛んじゃった先生」として、キングコングの梶原雄太が登場した。
デビュー1年目からスーパーアイドル級の人気を博し、数々のお笑いコンテストで受賞したキングコング。当時は「その期に1組しか売れない」というジンクスがあったため、同期の吉村は「もうこの期は終わり」と言われていたという。
飛ぶ鳥を落とす勢いだったキングコングだが、梶原は当時を振り返り「テレビに出るたびにスベり倒した」と意外な告白をする。
テレビ出演時は、MCから「スーパーエリートの登場です」と、ハードルが高い紹介の仕方をされてしまい、過度の期待が寄せられた。また、高校を卒業して数カ月で人気になったこともあり、「面白いわけがない。引き出し空っぽですから」と、若くしてブレイクしたゆえの弊害もあったと分析した。
それでも人気は止まらず、デビュー2年目には、キングコングが人気バラエティ番組「はねるのトびら」(通称・はねトび)のレギュラーに大抜擢された。
はねトびメンバーは、オーディション番組「新しい波8」から選抜されることになっていた。キングコングはこの番組に出演し、フットボールアワーやおぎやはぎなど、そうそうたるメンバーが参加する中、レギュラーを勝ち取ったのだ。
梶原は、はねトびメンバーの中でもダントツで後輩だったが、センターを任され、「ポスト岡村隆史」と期待を寄せられていた。コント番組にも関わらず、まだコント経験がなかったため、「相当なプレッシャー。ビビりまくっていた」と当時の心境を明かした。
こうして始まった“はねトび”だが、毎週行われる打ち合わせと収録時間は「36時間ぶっ通し」だった。金曜の12時から土曜6時まで打ち合わせやリハーサルが行われ、土曜24時まで収録、その後は朝5時まで反省会をしていた。
また、キングコングは大阪にレギュラー番組を持っていたため、飲み会後はそのまま大阪に移動し、生放送やロケをこなすという、あまりに過酷なスケジュールだった。
さらに、はねトびの収録中は「ずっとスベり続けていた」といい、睡眠もまともに取れず、心身ともに疲弊していった。
そして、はねトび開始から半年後のある日、大阪から東京へ向かう新幹線の中で、梶原は「身体の震えが止まらなくなる」という状態に陥った。「またスベるんじゃないか」「また36時間ぶっ通しでやらなくてはいけない」というプレッシャーに襲われ、東京に行きたくない気持ちが強くなり、新横浜駅から身体が震え出していたという。
梶原は、人が飛ぶ前に出すサインの1つがこの「震え」だといい、「キャパオーバーで人が限界を感じると、まず身体が震え出します」と、自身の経験から語った。そして、「この身体のSOSを見逃さないようにしてほしい」と視聴者に訴えていた。