俳優で映画監督のオダギリジョーが13日、都内で行われた長編映画初監督作『ある船頭の話』の初日舞台挨拶に柄本明、川島鈴遥、村上虹郎と参加した。
第76回ベネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に正式出品され、オダギリ監督と柄本、村上が現地参加。現地の反応を聞かれたオダギリ監督は「メチャメチャ良かった。あまりの反応の良さに恐縮。もうそろそろいいですと思ったくらい」と喝采ぶりを明かし、村上も「すごかったですよね」と好リアクションを報告した。
ただオダギリ監督には一つだけ不満が残っているようで「エンドロールが流れ始めた瞬間に拍手が起こったけれど、エンドロールも力を入れて作ったので…。エンドロールまでしっかり観て拍手してほしかった」と笑わせた。
今後も海外の映画祭で上映される予定だが「次はエジプトの映画祭にも行きそうで」と喜ぶも「でも『時効警察はじめました』の打ち上げの翌日の飛行機なので、本当に行けるのかな?と思う」と首をかしげて「打ち上げの盛り上がり次第ですね」とマイペース。川島が「エジプトって聞いて衝撃」と海外での広がりに驚くと、すかさずオダギリ監督は「(自分は)エジプトに行けないかもしれないから…行く?」と軽いノリで誘っていた。
本作は文明の波や時代の移り変わりに直面した山間の村を舞台に、黙々と渡し船を漕ぐ日々を送っている船頭・トイチ(柄本)の姿を描く。構想10年、細部にまでこだわったオダギリ監督は「DVDが発売されても買わないでください。配信が始まってもダウンロードしないでください。映画館のスクリーンで観なければ、この作品の良さは半減します」と思いを込めた。
テキスト・写真:石井隼人