2018年9月、さいたまスーパーアリーナで行われたビッグマッチ「那須川天心vs堀口恭司」の一戦に格闘ファンは心を躍らせた。キックルールではあったが、この両者が交わること自体、「何が起こるかわからない」という緊張感と期待感を抱かせるには十分だった。2度のローブローもあったが、3R戦った結果、3-0の判定で那須川に軍配が上がった。そして負けた堀口は、敗戦後もいつもと変わらず清々しかった。
「デカいこと言ってゴメンね。強かったね。日本の格闘技界を一緒に盛り上げましょう」
そんな堀口の言葉を受けた那須川も「キックルールで戦ってくれて感謝しています。試合を通じて成長できたのも堀口選手のおかげです」と応じており、拳で会話を交わした二人の間には他者には分からない絆のようなものが確かにあった。
そして記憶に新しい8月18日、名古屋のドルフィンズアリーナで行われた「RIZIN.18」にRIZINとベラトールの2冠王として臨んだ堀口は、朝倉海の右カウンター、その後のラッシュを受けるとわずか68秒で豪快に散った。しかし、その大番狂わせの直後、朝倉のツイッターには「もう一回やりましょう」という言葉とともに堀口との笑顔の2ショット写真がアップされている。勝っても負けても、堀口は堀口であり、そこが堀口の魅力なのだ。
そんな堀口が、16日に行われる『RISE WORLD SERIES 2019 Final Round』の58キロ以下級トーナメント決勝で志朗と世界No.1をかけて戦う那須川天心に、アメリカフロリダ州にあるアメリカン・トップチームのジムから「自分と試合をしたときよりも強くなっている。頭一個、二つくらい抜けている」とエールを送った。
さらに堀口は「考えながら戦っているし、筋量も増えた」と那須川の強さを分析すると、再戦については「もし」と前置きをしたうえで、「倒すとか倒されるではなく、日本が盛り上がる試合をしたい」と笑顔で話した。
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