「安定と挑戦」の旗印のもと、スタートを切った第4次安倍再改造内閣。安倍総理は「新しい時代の国造りを力強く進めていく、そのための布陣を整えた」と述べたが、早くも"大丈夫なの?"という声が上がっているのが初入閣の竹本直一内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策)・情報通信技術(IT)政策担当だ。
就任後の会見では、自身の公式サイトが閲覧できない状態になっていることについて、記者から「科学技術を担当する大臣としてこの状況に関する受け止めを」と問われ、「これは事務所のホームページを管理している会社があるが、そこからロックをかけられた状態になっている。私も見ようと思っても見られない状態で早く復旧してくれと、このように言っているところだ。なぜロックされているかよく分からない」と回答。また、通称"はんこ議連"(日本の印章制度・文化を守る議員連盟)を務めていることから、IT社会に逆行しているのではないかという声や、「私自身はパソコンを日常的には使わないが…」と話した桜田義孝・元サイバーセキュリティ担当相との類似性を指摘する声もある。
今回の組閣が「安定と挑戦」というキャッチフレーズになると予測し的中させたテレビ朝日の足立直紀政治部長は「ある意味、"安定と挑戦"の挑戦をさせてみたのかもしれない」と苦笑する。
「所属する岸田派からは何年も前から推されていたが、待機組が70人いると言われている状況もあり、様々なやりくりの中でなかなか入閣することができないでいた。しかしもう78歳なので、岸田さんからは相当強いプッシュがあったようで、安倍さんも党内バランスを考え、"当選8回で頑張ってきたことに報いてあげないと。ここで入れてあげよう"ということだ。それでも大事なポストにつける訳にはいかず、"ちょっとぐらいは大丈夫かな"というポストを選んだのだろう。ただ、本人は京大卒業後に建設省に入省、河川局や住宅局など、土木・建設系の仕事に携わり、後に首都高速道路公団にも入ったということで、バリバリの"建設族"。介護問題にも強いが、IT分野については全く聞いたことがない。また、クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策、いずれも竹本さんからは遠いジャンルばかりだ。正直申し上げて適材適所とは違う」。
その上で「前任の平井卓也さんはITの専門家としてリーダシップ発揮していた方だった。その平井さんの作った流れに乗って、報告を受けて"OK"と言うことはできても、自分から新しいものを出せるかというと、それは心配だ。ただ、副大臣にはこの分野に非常に強い平将明さんが就任した。本人も平さんの方が正直言って向いていると思っているようで、"よろしく頼む"という電話を入れたそうだ。やはり官僚や平さんが引っ張っていかないといけないが、政府としては、全体として進めていければ"結果オーライ"でいいのかなということだろう。ただ、国会に出た時は大変だと思う。桜田大臣の時のように、野党は当然、いじってくるはずだ」との見方を示した。
竹本大臣の就任後、台湾では38歳の"天才ITプログラマー"がIT担当政府委員に就いていることも話題になっている。「ウツワ」代表のハヤカワ五味氏は「"大臣にしてあげなきゃ"みたいなことって、国民からしたら関係ないこと。勘弁してほしいし、"ITはいっか"みたいなスタンスなんだなと感じた」と嘆息していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)