『ドラゴン桜』の勉強テクニックを実践!偏差値35から東大合格したプロジェクトリーダーが率いる勉強合宿に潜入
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 元暴走族の弁護士・桜木建二が様々な勉強法を駆使し、平均偏差値36の生徒たちを1年間で東京大学に現役合格させるプロセスを追った人気漫画『ドラゴン桜』(三田紀房著)。雑誌『モーニング』で2003年から2007年まで連載され、昨年からは10年後を描く続編『ドラゴン桜2』が好評連載中だ。

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 実は今、作中に登場する勉強法を参考に、高校生たちの進学を後押しするプロジェクトが動き出していることをご存知だろうか。AbemaTV『AbemaPrime』では、静岡県・御殿場にあるリゾート施設で行われた勉強合宿「リアルドラゴン桜プロジェクト」に密着した。

■自身も偏差値35からの大逆転を演じたプロジェクトリーダー

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 合宿を運営するのは、『ドラゴン桜』をプロデュースするコルクと学習支援などの事業も行うリクルートマーケティングパートナーズ。全国から参加していた4校のうち、今回取材に応じてくれたのは、静岡県沼津市の私立誠恵高校。1年生から3年生の参加希望者14人に対して、放課後や夏休みなどの長期休暇に特別講義を受講させてきた。

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 公表されている高校ランキングの指標などから、普通科の偏差値は40前後だといい、4年制大学への進学よりも、専門学校や就職に進路を決める生徒が多い同校。ちなみに、これまでに東大に進学した者はいないという。しかし少子化が進む時代、多様な生徒を受け入れるためにも大学進学への実績作りは学校にとっても急務だ。高橋通明教頭は「そもそも大学進学の需要がない。普通科コースでも、保護者も生徒も就職するというパターンが半分くらいいる。だからこそ、需要の掘り起こしが課題だし、それには実績を出さないと痛感している」と話す。

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 生徒たちを指導するのは、プロジェクトリーダーも務める西岡壱誠氏(東大経済学部4年)。自身も東大輩出者ゼロの無名校出身で、偏差値は35から猛勉強、2浪の末に文科II類に合格を果たした。教育系団体「東龍門」を立ち上げて書籍も執筆、逆転劇の経験を活かし「ドラゴン桜2」の監修も務める。

 「ハッキリ生徒に言うのは、東大卒は卒業後の平均年収が高いと言われていること。勉強の時給を計算させてみると、何万円にもなったりする。そんなバイトあるか?と。"勉強するだけでお金が入ってくると考えるといいぞ"と話すと、モチベーションにもなるようだ」(西岡氏)。

■「勉強時間は全て自由時間」

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 合宿には西岡氏が連れてきた現役東大生4人が参加。そして誠恵高校の先生も常駐し、随時、生徒たちの質問に答えられるよう完全なバックアップ体制が敷かれている。ところがプロジェクトの勉強法「その1」は、ズバリ"勉強時間はない!"だ。「僕らは"勉強して""ここからここまでガッツリ勉強しよう!"などとは言わない。自由。全部自由時間」と西岡氏。

 合宿の日程を見てみると、確かに自由時間だらけで、特定の教材を使って行われる授業は見当たらない。実はこれ、作品に登場する合宿とほぼ同じスケジュールなのだ。押し付けるのではなく、自主性に任せ、勉強する習慣をつけてもらうというやり方なのだ。

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 「今の子たちは強制されて何かをやるのを嫌うし、高校生になる前にそんなに勉強したことがないという生徒たちなので、やっぱり"勉強は苦痛なもの"という感覚がどの生徒にもある。嫌いなことをやるのは学習効果も高くない。そこで漫画を見せればちょっと楽しくなるし、"自分たちが主人公になった気分で頑張ってみないか"と言うと、モチベーションが上がって能動的になっていく。そして自分の意思で能動的に勉強に向かっていくための環境やインプットをきちんと用意する」(西岡氏)。

 合宿が始まってから約1時間。生徒には戸惑いがあるのかと思いきや、意外にも集中している様子。午後6時になり、自室のあるコテージに移動。男子生徒の一人はベッドに横になり「勉強する気になんないっす」と笑う。しかし夕食後には気を取り直し、午後9時からの自由時間に再び向かう。

 指導する東大生や教員、西岡氏を次々に呼んで熱心に英語を学ぶ本間由渚さん(2年)は、高校では芸術コースに所属している。芸術系の大学への進学を志望していたが、プロジェクトに参加する中で方針を転換、今は東大合格に向け苦手科目の克服に取り組む。

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 そんな本間さんの後ろで寝ていたのが旗持慶悟さん(2年)は、クラスのムードメーカー的な存在で、なぜか山登りのような準備でやってきたり、マスクとヘッドフォンで完全防備になっていたりと、個性的な雰囲気を漂わせる。「目指すは東大。東大一直線です(笑)」と、文科III類を第1志望にしているが、その先の進路は「JR貨物に入って貨物列車の運転をしたいなと。運転手で少しキャリアを重ねて、ゆくゆくはJR貨物の上層部。東大に入って少しでも有利になれたらいいなという気持ちはある」。

 2人を含む全員が、その後も日付が変わる頃まで"自由時間"の学習を続けた。生徒たちの集中力に、西岡さんも感心した様子。「勉強して何の意味があるのか、社会に出てからどう使えるのかということを初めに話すこともある。そうすることで、"勉強って意味があるんだ。苦痛だけじゃないんだ"と思ってくれる。自分の人生に誇れるものがないと言う子、あるいは少し不登校気味で、学校で勉強すること自体が久々だという子が"僕も東大に行ったら人生変わるかな"と。そういう、ちょっとした憧れみたいなものをモチベーションにして頑張ってくれるパターンも多い。生徒の中には、帰ってからもこの自由時間のノリで頑張ってくれて、報告してくれる子もいる」。

■中学生からの基礎力とスマホ学習も重視

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 また、勉強法その(2)は"算数をやれ!"だ。教材の中には、小学生用の算数の問題集。西岡氏によると、センター試験で数学では、計算の速さが有利な状況を作るという。作品でも、最初に使ったのは漢字ドリルと算数の計算ドリルだ。「やっぱり基礎が大事。10年前からまったく変わっていない要素として、基礎が大事で、教科書が大事。分からないところがあるなら中学レベルから取り除くべき。英単語の力だったり漢字だったり、数学の計算力だったりというもの。そういった基礎力を補充できればというふうに考えている」。

 ある生徒は「中学の時の応用みたいな感じ。応用というか基礎。自分が抜けているところが分かっていい」と話す。

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 さらに、勉強法その(3)"スマホも活用"だ。「Twitterなどで自分の勉強記録を友達に発信して、それをRTしてもらっている生徒もいる。高校生と話していると、高校生の方が使いこなしていて僕の方が教えられることが多い。確かに紙で書いた方が覚えやすくなることはあるかもしれないが、検索できるので、見返したり共有したりしやすいのは断然デバイス」と西岡氏。実際、スマホを勉強で活用している高校生の割合は94.5%に上り、英単語などの検索や勉強時間、試験のスケジュール管理、授業の動画・音声の収録などに使用しているという。

 合宿2日目の午前9時。西岡氏から「スマホでできなかった問題と似たような問題がないかなとか、ここが分からないというポイントを自分で調べるというのもやってみて」とアドバイスが飛ぶ。合宿ではリクルートが提供する、実績ある講師によって行われる授業動画約4万本をいつでもどこでも視聴できるオンラインサービス「スタディサプリ」を推奨。英語が苦手な本間さんも動画を検索する。

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 そして午後4時過ぎ、最後の自由時間が終了した。最後に西岡氏は「こうやって自学自習するという習慣がある程度分かったと思う。ここから先はそれこそ皆さん、非日常から日常に戻った時こそ頑張るというのをやって、(勉強することが)非日常ではなく日常になってきたら、君たちの勝ちだと思う。君たち絶対に合格できると思う」と生徒にエールを送っていた。

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 「こうしたメソッドを使えば、自信を持って東大合格できると言えるのか」との質問に、「もちろん。僕個人がリアルドラゴン桜の人間なので、ドラゴン桜で紹介している勉強法や僕の書籍をやれば合格させることができると僕は自信を持って言える。ただ、"発射台"になるものは学校だ。今回も誠恵高校の先生方が生徒とかなり向き合ってくれた。そういうことがあって初めて結果が出てくると思う」と西岡氏。「まだ今年1年目のプロジェクトなのでこれからだが、絶対に合格させてみせると僕自身は思っている。全員合格を目指す」と意気込む。西岡氏の熱い思いと勉強法を受け継いだ生徒たちがリアルドラゴン桜を見せてくれる日も近いかもしれない。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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