9月22日(日)に明治安田生命J2リーグ第30節が開催される。19位のFC町田ゼルビア(勝ち点32)は、ホームの野津田競技場に3位の横浜FC(勝ち点56)を迎える。
ゼルビア、横浜FC、大宮アルディージャ、ジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディの5チームによる合同プロモーション“首都圏バトル5-王の帰還-”。ゼルビアにとっては今季最後の首都圏バトル5で、リーグ戦13試合ぶりのホームでの白星を飾りたい一戦だ。
得点の鍵はラインのギャップ!
勝利のためにはゴールが必要。当たり前のことだが、今回の横浜FCは、非常にソリッドな守備を見せるチームで、ゼルビアにとっては厳しい戦いとなる。横浜FCの守備は[4-4]の2ラインのブロックを敷いてスペースを埋める守り方のためスペースがない。特に元日本代表DF伊野波雅彦とゼルビアでも活躍した元U-23オランダ代表DFカルフィン・ヨン・ア・ピンが、ゴール前に強固なブロックで鍵をかける。
チャレンジ&カバーがしっかりしている横浜FCのセンターバックコンビだけに、前線に入ることが予想されるFW富樫敬真にはいつも以上に多くのタスクをこなす必要がある。その一つが、ライン間でのボールの受け取り。ゼルビアの生命線でもある両サイドとロメロ・フランクの攻め上がりを生かすためには、富樫がライン間でうまくボールを持つことができるか。そして周りの選手も、富樫にボールが入った瞬間の動き出しが大事になる。富樫を中心に全体的なパス&ムーブの意識を高めることがゴールへの近道になるだろう。
一方でゼルビアのディフェンスも気をつけなければならない点が多い。その一つが今季16ゴールを奪っているFWイバだ。スペースを埋める守備でボールを刈り取ると、一気に前線のイバに目掛けてボールを集めるロングカウンターが、横浜FCの最大の武器。空中戦の競り合い、ボールの収め方、裏抜けへの意識が高いイバがいるからこそ、できる戦術だろう。
ゼルビアにとっては、できればイバにボールが渡る前にボールを奪い返したいところ。しかし、横浜FCの中盤の構成力は高く、テクニシャンのMF松井大輔、個人でボールを運べるMFレアンドロ・ドミンゲス、さらには日本代表として活躍してきたMF中村俊輔もいる。
ボールの取り所をどこに設定するのか。相馬直樹監督の決断はこの試合の勝敗を分ける大きなポイントの1つになるかもしれない。
前回対戦は敵地でMF森村昂太が先制点を奪うも、オウンゴールから勝ち点2を失ったゼルビア。今回の対戦では昨季の対戦で2ゴールを決めた平戸太貴が復帰しているなどポジティブな要素も多い。昇格争い中の相手に、どんなサッカーを見せてくれるかに注目だ。
文・川嶋正隆(SAL編集部)