こんにちは。青木真也です。
10月13日に東京・両国国技館で行われる「ONE日本大会」のビジュアルとテーマが発表されました。テーマは「舐めんなよ」であります。ビジュアルが今風に仕上がっていることもあってか、「きゃー素敵!」と落ち着くところだとは思いますが、舐めんなよ。今回のテーマに関してはおいらのnoteで発したコメントが元なのですが、どこに対しての言葉なのか。波風を立てないようにしつつ、どうしても波風が立つ解説をしていきましょうか。
まずは自分自身の試合がスムーズに決まらず、決定後に試合順が上がったことに対しては心の底からスッキリしていないし、「舐めんなよ」と思ってる次第です。それもこれもおいらの力不足だし、日本市場が相手にされていないことを表しているし、青木真也はまだまだここからだからな。舐めんなよ。
選手関係者も3月大会がそれなりに形になったので、そこからはただそれなりに過ごしていただけですよね。きた試合をして、ある仕事をして、平穏な日々が過ぎていく。自分事でやってこなかった答えがここにきての苦戦だし、ヨカタ丸出しの仕切りしてるんじゃあないよ。そこのお前だぞ! おいらは気合い入れて動いてきたし、それなりにやってきたつもりだし、今なんとか形になってるのはサラリーマンの域を超えた覚悟のある選手関係者がいたからなのをよーく考えましょう。選手も試合だけではなく、自分の試合なのだから懸命にやるんだ。
国際的なすごい選手が揃って、クオリティの高い試合が繰り広げられるでしょう。ただね。そこにジャパニーズMMAはないのですよ。おいらの試合にしかジャパニーズMMAはない。
ファイターですら勘違いしているけれども、ただ試合をして勝っただけでは感情は揺さぶられないです。運動能力がある人が得意な運動に出会って勝つだけならば、観客にとってそれは自分ごとになるわけもなく、「ああそうですか」で通り過ぎていくのです。アスリートの本が売れなくなっているのと同じような理屈です。そこに物語や歴史があって、自分ごとのように感じるからこそ人は感情を揺さぶられます。コンテンツの価値は人の感情の振れ幅だとおいらは定義しているから、上でも下でも人の感情を揺さぶるようなモノを作っていきたいのです。情緒のあるMMAなのだ。
おいらは生活の全てを晒して、生活の全てを賭けて闘うぞ。家族だって捨ててきた。いつ辞めてもいい覚悟でいるし、いつ死んでもいいと思ってる。別に業界に必要な人間じゃないし、刺し違える覚悟はいつだってできてる。おいらの試合だけは素人が作る試合じゃないからな。見て感じてほしい。
オレたちはファミリーだ。俺たちは一つじゃない。残念ながら。ファミリーはケンカするけれども、なんとかして作っていこう。やってやろうじゃないか。
写真/井賀孝
衣装提供/GroundY(ヨウジヤマモト プレスルーム)
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