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 今月6~8日を目処に展示再開する見通しとなった、「あいちトリエンナーレ」内の企画展「表現の不自由展・その後」。愛知県が提示した条件を受け入れ、万全の警備体制を敷き、事前予約の整理券方式にするほか、開会時のキュレーション(展示内容)と一貫性を保持し、必要に応じて別途説明するといい、県では来場者に中間報告の内容などをあらかじめ伝えるという。

 この問題について、ヒアリングを受けたことから閉鎖中の展示室を見たという三浦瑠麗氏は、次のように話す。

 「入口にはカーテンがかかっていて、その手前には詳細な説明書きがあり、ショックを与える作品もあるかもしれない、という警告もある。最初の壁には、富山で拒絶された(昭和天皇の肖像を用いた)作品と、新しい動画作品の"大浦作品"がある。ここでは音声を聞くような仕掛けになっているが、全てを理解するためには立ち止まって何十分も見なければいけないし、ほとんどの人は最後まで見ることなく、つまり文脈を理解することなく進んでいくことになる。すると、これらの大浦作品にまつわる様々なものや、あるいは天皇と空気の存在を表現するアートなどが展示されている。そして、朝鮮学校の学生が描いた慰安婦の悲しみを表現した絵がある。これは千葉市が助成金を削った作品だ。つまり、天皇の写真を焼くイメージの作品と、女性の共感を呼ぼうとする、性暴力の被害者についての作品を一緒に見せられる。そうなると、右翼の人、あるいは天皇家を崇拝している人からすると、"これは反日だ"と思う状況で見ていくことになる」。

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 その上で、「目を引いたのが、新聞記事などを貼りつけた中垣克久さんの作品で、私は"また戦争になって総動員になるぞ"という警告を込めていると私は解釈したが、やはり安保法制や安倍政権の安保政策への反対意見が込められているので、"安全保障クラスタ"の人は"何これ?"と思うだろう"。話題を呼んでいる作品がある一方で、話題になっていない作品もある。例えば右翼的だ"として韓国系団体からアメリカでの展示を止めるよう圧力があったが止めさせられなかったという、旭日旗を思わせる"放射線アート"も展示されていたし、データをしっかり調べたわけではないものの、割合としては慰安婦関連やそういったものが多いという印象だ。また、大事なのが"年表"で、表現の不自由というのは何十年も前からあったことなのに、その年表は表現の自由に対する政府の介入があった2001年から始まっていた。逆に性的、猥褻なものという理由から表現の不自由に含まれるものはあまりなく、結果的に世界観としては"政府vs国民"、という縮図に収まってしまっていたと思う」との見方を示した。

 また、今回の展示再開について三浦氏は「良かったと思う」としながらも「この問題は、例えば少女像をどう思うかということや、表現の不自由展の実行委員会の人たちのことをどう思うか、ということとはまったく関係がない。表現の自由というものは、脅迫、抗議の電話、あるいは政治家の発言によって揺るがされるものではないという大原則がある。皆が自分で見て判断し、意見を言うなら言うというのが正しい形だ」とコメントした。

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 一方、萩生田光一文部科学大臣は26日、あいちトリエンナーレへの助成金不交付について「文化庁に申請があった通りの展示会が実現できていない。継続できていない部分(表現の不自由展)があるので交付を見送った」「4月に愛知県が警察に相談したらしいが、文化庁には報告されなかった」と説明している。

 三浦氏は「萩生田さんご本人の思想は知らないが、与党の中には積極的な意見として、"昭和天皇の写真を仮にコラージュ作品で版画だったとしても、焼くのは許さない"という人はいるし、少女像を置くことにも"日本の面汚しだ"とか"ふてぶてしい"と思っている人もいる。そんな中で、国民全体の声として"これは議論しよう。見てみよう。補助金を削るのを止めよう"という声を作ることは諦めてはいけない。だから文化庁が補助金を取り消したことに私はびっくりした。仮に申請に不備があったとしても減額などにすべきで、全額取り消しはあり得ない。ただ現実問題として、裁判では文化庁の主張が通る可能性がある。もしこうしたことが続けば地域芸術祭を開催する人たちが委縮し、次からは津田大介さんのようなジャーナリストではなく、無色透明な、政治的思想がまったくない芸術監督を選ぶだろうし、作品ひとつひとつを見て事前に落としてしまうということも活発になってしまう可能性がある」と懸念。

 「私がTweetした意見が左右両極から大変な罵声を浴びている。だが、短期的に表現の自由を絶対に揺るがせてはいけないという問題と、皆に表現の自由を大事にしてもらおうという社会をつくろうとする努力は両立しなければいけない。実際、表現の自由は大事だねと教科書で教えられても、いざ気に入らなければ電凸をするわけだし、文化庁の判断に対しても"よくないと思うけど、私この作品気に入らないし"という具合に、原理原則と意見が分離してしまうことが普通になっている。アートにそれほど関心がない、私が"中間層"と呼ぶ人たちを、どうやってその問題に引き付けられるかについては、皆でディスカッションしてもいいかもしれない」。

 三浦氏の話を受け、2ちゃんねる創設者のひろゆき(西村博之)氏は「気に食わないものに対しては税金を払わない方がいいと思っている人が抗議をしている場合があるだろうし、文化庁側はそれにおもねってしまった。そして、内容によって制限するのが当たり前だと抗議する人たちからみると、その意見が通ったというふうに見えてしまっている。表現の自由は大事で、嫌いでも表現をさせるべきだということを理解できない人が日本では多数派だし、それが今の与党かなと思っている」とコメント。

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 また、カンニング竹山は「アートというだけで、全てすばらしいものだと言わなきゃいけないような風潮もあるが。実際はひとりひとりの感性だし、作品を観た時に、いいアート、"何だこれ"というアート、クソなアート、何も響かないアートなどと、どう思うかは違っていてあたり前だ。それなのに、おかしいと思ったものを止めさせようとか、補助金を出さないというのもおかしな話で、そんなことしていたら何もできなくなる。トリエンナーレに関しても、もう一度やるということが大事だと思う。そして一人一人が冷静に作品を観た上で自分の意見を持つというのが、正しいアートのあり方かなと思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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