10日、お笑い芸人で作家のピース・又吉直樹(39)の新作「人間」(毎日新聞出版)が発売。都内で記者会見が開かれ、又吉が新聞連載中のギリギリの日々を振り返った。

又吉直樹、新聞連載でギリギリの日々も“働き方改革”は希望せず「これ以上改革すると収入が不安になる」
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 「人間」は、昨年9月から今年5月まで毎日新聞の夕刊で連載されたもの。 「『人間』は今まで自分が書いてきた中でも自分と一番近い小説だと思うので、いろんな方に読んでいただきたい」と又吉。

 新聞での連載で苦労した点はあったかと聞かれると「連載ならではのライブ感を持ってやりたいと思ってやったので、自分自身そこからどうなっていくかわからないような流れがあっても、あえて戻らずに前日に自分が書いたことを引き受けて書いた。そこがそれまで自分が書いた2作と違うところであった」とコメント。

 また、これまでは自宅や喫茶店など限られた場所でしか執筆作業に集中することができなかったそうだが、常に締め切りを意識する生活をしていたため「本当に人間追い込まれたらどこでも書けた」と、自身の成長を実感。

 「どんなところで書かれたのか?先生(又吉)の働き方改革はされているのか?」と記者から質問されると、「いろんな方のお話を聞いて…全部100%で仕事をすると遅れるから、75%くらいで進行した方が、結果的には効率もいいしクオリティも上がると聞きました。理屈はわかるけれど、どうしてもできない。常に1本1本の原稿に時間をかけてやってしまう」と、自分は手を抜けない性格であると語る又吉。夕方5時が締め切りの日に、仕事が4時ごろまで押してしまったため、家に帰る時間も惜しんで路上に座りパソコンを開いて書いたこともあるという。「飛行機の待ち時間に原稿を書いて8割くらいできたんですけど、その段階で搭乗時刻になってしまった。『残りの2割は携帯から送ります』と(編集者に)送って飛行機に乗って、(携帯の電源を切らなければいけない)飛行機のドアが閉まるまでの間に残りの2割を書いてメールで送ったというのが最も危なかったときです」と、ギリギリの日々を振り返った。

 「書くのは自分のペースでやっていて、誰かに管理されているのがない。週に1回くらい何も考えないでいいという日が作れたら、体力的に持つかなというのがある」と週1ペースの休養を希望する又吉。しかし、連載時以外はゆとりある日々だといい、「これ以上改革すると収入が不安になる。他の人が働いてるくらいは働きたい」と真面目な姿勢を見せた。

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又吉直樹 3作目を発売
又吉直樹 3作目を発売