ムエタイ・ルンピニー2階級制覇の生ける伝説が、目にもとまらぬカウンターで15歳年下の若き才能を「大の字KO」で葬り去った。
10月13日、両国国技館で開催されたONE Championship「ONE: CENTURY 世紀」で、サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)がダレン・ローラン(フランス)に2ラウンドKO勝ち。ムエタイ・ルンピニー2階級制覇の生ける伝説サムエーが、36歳の誕生日を白星で飾った。
次々とムエタイの大物が参戦するONEムエタイの中でも、レジェンド級ファイターとして招聘されたサムエー。今年ONEフライ級ムエタイ王者から陥落したものの、400戦を超える試合キャリアはベテランでも随一だ。一方、現役WBCフライ級ムエタイ世界王者のダレンは、長身から繰り出す攻撃と防御を兼ね備えた21歳の若き才能である。
試合序盤、サムエーがヒヤリとさせられる場面もあった。1ラウンド、サムエーが左ストレートで軽いダウンを奪う幸先いいスタートだったが、ローランも長い手足を活かした強烈な右ミドルを軸に試合を組み立てる。ラウンド終了間際には、右フックでサムエーからフラッシュ気味のダウンを奪った。
2ラウンドに入るとサムエーが強い左ミドルとローを折りまぜながら本領を発揮。強い蹴りを受け後退するローランに対し、サムエーは執拗にインローを放って前に出る。ローランもバックブローなど奇策で打開しようと試みたが、次の瞬間、サムエーの狭い距離での左のカウンターがヒットし、大の字に崩れ落ちた。壮絶なKO葬だったが、一瞬の出来事に場内は何が起こったかわからず一時騒然。スローVTRが映し出されると、サムエーのショートカウンターが的確にローランの顎を捉えていた。
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