配車アプリの“無断キャンセル”にタクシー業界悲鳴、キャンセル料請求も困難
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 いつ来るかわからない“流し”を待つのではなく、スマートフォンの配車アプリを使って呼び出すことも増えてきたタクシー。しかし、今この配車アプリの不適切利用で、タクシー業界が悲鳴を上げている

 配車アプリは、複数の会社の中から最も利用者に近いタクシーが迎えに来る仕組みで、スマホ向けに相次いでリリースされている。ところが、「一時期問題になった飲食店での予約(キャンセル)問題と同じ。背景として、以前よりもアプリ利用の配車が増えている。問題点が各事業者からあげられる頻度が増加している」(東京ハイヤー・タクシー協会 太田翔平広報委員長)という。

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 例えば、利用者がアプリからタクシーの配車を予約する。そのタクシーを待っているうちに、たまたま近くを別の空車のタクシーが通り、予約者はそのタクシーに乗車。当然、配車タクシーが現場に着くと誰もいない。また、複数の配車アプリを使う利用者もいるようで、同時に何台も配車を予約し、一番早く来たタクシーに乗車。残りのタクシーには何の連絡もせず、無断キャンセルすることもあるそうだ。

 無断キャンセルにタクシードライバーからは「昔から当たり前になっている」「目の前まで行ったのに、他の車が来ると乗る。でもあり得ること。家の中なら待っているんでしょうけど、外にいたら他の来た車に乗っちゃいますよね」との声が聞かれる。一方、配車アプリの利用者は「(流しの空車に乗ったことは)正直ありますね。(アプリ配車の方を)キャンセルできる時はしますけど」と経験はあるようだ。

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 では、悪質なケースの場合、キャンセル料を請求することはできるのか。太田さんは「約款上は、配車のマッチングをした時点で契約が成立する。しかし、実際はクレジットカードの事前登録をするサービスでもないので、キャンセル料を請求することは難しい」と懸念を示す。

 一方、キャンセルを減らす工夫として、配車アプリ「DiDi」ではクレジット決済を原則としているほか、利用者とドライバーが通話や定型文でやりとりすることができる仕組みを導入している。お互いに待ち時間がわかることで、イライラしないなどのメリットがあるようだ。

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 太田さんは、配車アプリの悪質な利用が続けば利用者にとっても不便な状況になる恐れもあると訴える。

 「アプリのお客様の配車を受けても『お客さまがいないので受けたくない』という乗務員が増えてきてしまう。配車アプリは、事業者や乗務員にとって流しじゃなくてもご依頼をいただける、生産性が上がるすばらしいもの。お客さまにとっても配車が担保されるということでメリットが大きいサービスなので、まずは適切にご利用いただきたい」

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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