FC町田ゼルビアにとって、今まで以上に勝ち点3が求められる大事な一戦を迎える。
27日に町田市立陸上競技場で、明治安田生命J2リーグ第38節でFC岐阜と対戦する。勝ち点36の19位で残留争い中のゼルビアにとって、勝ち点29で最下位の岐阜戦からは勝利が必須。町田は現在、3月30日に行われた第6節の愛媛FC戦以来、ホームで15試合未勝利中。
応援を続けてくれるサポーターのためにもホームで勝利を手にして、残留争いに終止符を打ちたいところだ。
“セカンドボール絶対拾うマン”の出来がカギ
今回対戦する岐阜とは第15節にアウェイで対戦している。ゼルビアが前半から長いボールを使いながらセカンドボールもしっかりと回収して押し気味に試合を進めると、20分にMFロメロ・フランクが獲得したPKをFW富樫敬真が決め切り先制。前半終了間際にはロメロ・フランクのゴールが決まって2点をリードした。
しかし後半は「しっかりと球際やファーストDFを決めて競ったこぼれ球を拾っていくことが大事だった」と言う相馬直樹監督のコメントとは裏腹に、セカンドボールの回収で遅れを取るとFWライアン・デ・フリースのスピードを生かした突破や、元日本代表FW前田遼一の巧みなポストプレーに押し込まれる展開が続く。なんとか試合終了間際の1失点に食い止めて、敵地で勝利を飾ることができたが、苦しい試合だったことは間違いない。
特に今回の岐阜は、前節に16位の愛媛FCに勝利しており、勢いに乗っている。さらに北野誠監督が就任後、出場機会を掴んでいる川西翔太が躍動中。16試合中3試合で複数得点を奪い、ここまで7ゴールを挙げるなどチームの攻撃を牽引している。
オフェンス陣に曲者が揃っている岐阜だけに、ゼルビアとしては中盤から前線をいかに寸断できるかが1つのカギとなるだろう。特に前回対戦で見せた課題の1つである中盤の主導権争いが勝敗に直結するはずだ。
ゼルビアの場合、ロメロ・フランクの推進力は大きな武器の1つ。それを可能としているのがダブルボランチを組むキャプテンのMF井上裕大の存在だ。球際の強さやロングボールの競り合いに強さを見せるだけでなく、しっかりとロメロ・フランクの攻め上がったスペースをケアするなど気の利いたプレーで、チームの心臓として君臨する。
前回の岐阜との対戦では、かさにかかった攻撃を押さえ込むことができずに失点を喫している。ファンが選んだキャッチコピーで“セカンドボール絶対拾うマン”とつけられるなど、セカンドボールの勝負で絶対的な信頼を得ている井上としても、借りを返したいはずだ。
全42試合を戦う長丁場のJ2リーグもいよいよ最終コーナーを曲がった。残留を勝ち取ることは最低限のタスク。そのなかで、いかにサポーターたちに勝利を届けることができるか。セカンドボール絶対拾うマンの活躍に期待したい。
文・川嶋正隆