レギュラー番組が10本を超える人気お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実について、所属する吉本興業は26日、当面の間、活動を自粛することを発表した。

 徳井は23日夜、およそ1億3900万円もの申告漏れなどを東京国税局に指摘されたことを受け会見。周囲からのアドバイスを受けて2009年に設立した個人会社「チューリップ」を通じ、吉本興業の出演料などを取得。しかし2016~2018年までの3年間、それら1億1800万円に上る収入を申告していなかったと説明。さらに2012年~2015年の4年間、私的な洋服代や旅行費用を経費としてとして計上していたが、国税局はこのうち約2100万円を所得隠しとして認定したという。「本当にもう想像を絶するだらしなさ、ルーズさによって“やります”というのが、また1日延び、1週間延び、1カ月延びという状態で3年経ってしまった」「僕も44の社会人で、こんなおっさんが国民の誰しもの義務である納税というものをしっかりできていなかったというのは、本当に自分でも恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいだ」と釈明した。

 この時点では処分を課さないとしていた吉本興業だが、26日の発表では、徳井が10年~12年までの3年間と、13年から15年までの3年間でも期限内に申告しておらず、再三の催促にも応じなかったため、16年5月頃に銀行預金を差し押さえられていたこと、また、会社設立から現在に至るまで、社会保険の加入手続きもしていなかったことを公表。「徳井が速やかに保険の手続きを実施し、社会的責任を果たすまで必要な手続きをフォローしてまいります」「今後は税務に関する正しい知識・情報についても研修内容とした上で、徳井のみならず所属タレント全員に対する納税意識の啓蒙を続け、また各種手続きについてもサポートをしてまいる所存」するとした。

 今回の騒動について、後輩に当るお笑いトリオ・パンサーの向井慧は「本当にびっくりした。考えられない。申告を3年間していなかったというのがどういう意味なのかが分からないというのが正直なところだ。(パンサーのメンバー)尾形さんでも年に1回、税金を納めなければいけないことは分かっている。それをあの徳井さんが知らなかったということが怖い。もちろん脱税はいけないことだが、何だったら“脱税していました”と言う方がしっくりくるくらい。そんなことがあり得るのか」と首をかしげる。

 今回、徳井が無申告だったことについて、YouTubeで税金チャンネルを発信し、芸能関係者の顧客も多い税理士の大河内薫氏は「収入が多いと個人の税金の税率がどんどん上がっていくので、ある程度の収入がある人は税率が低い法人を作った方が得。徳井さんのレベルであれば、当然会社を間に挟んだ方が得なので、作っていたのだろう。ただ、今回のことはみんな“えーっ”と思ったはずだ」と話す。

 そもそも「脱税」「所得隠し」、そして「申告漏れ」とはどういうものなのだろうか。大河内氏は次のように説明する。

 「今回出てきているのは無申告と所得隠し。まず、無申告は下り坂の会社などではあり得るが、明らかに上り調子の徳井さんが行うというのは税理士としても疑問に感じる。会社を作って1年目で税務調査が入ることはまずないし、僕の立場からは言いづらいが、国税局が“泳がせていた”という部分もあるのだろう。そして所得隠しは、何らかの形で私的経費などで所得を隠すこと。無申告があまりにも大きな額だったので、過去に遡って調べたところ、所得隠しも見つかったという感じだろう。今回、この所得隠しの方に重加算税がかけられているので、国税局としてはこちらをより悪質だとみているのだろう。そして、所得隠しの上に脱税があるが、税金を不当に納めていないという意味ではどちらも変わらない。脱税の場合、一般的には国税局による調査と共に検察も動いて刑事告訴までいく。今回も脱税額が1億円を超え、国税局の査察部が動けば逮捕の可能性があったと思うし、内部調査や内偵調査を何カ月もかけて行い、“Xデー”を決めて強制調査をしていただろう」。

 今回、所得隠しとして扱われた衣服などに関しては、仕事に必要な衣装として、経費として捉えられるのではという見方もある。「例えば12時間カフェで仕事をしていましたというのが本当に経費なのかどうかは微妙なところはあるが、自信を持って経費と言えるのであれば、経費に入れる。調査されても戦えばいい。今回、無申告の指摘を受け、言われるままにしてしまったのかもしれない、戦えば覆った部分はあったかもしれない」(大河内氏)

 他方、専門的知識を持ってサポートするはずの税理士の責任はどう考えればよいのだろうか。

 「やはり納税者である徳井さんが税理士に資料を渡さなければ始まらないが、年に1回、連絡を取って申告するような形だったようなので、おそらく関係としては希薄だったのだろう。こういった事態までは想定しておらず、あまり考えていなかったと思う。ただ、税理士側にも業界全体として悪いところはある。例えば、医者であれば“産婦人科”“外科”“内科”といった看板がある。僕の場合、芸能やクリエイターに特化した税理士ということで打ち出しているが、そうではない税理士が芸能人のクライアントを取った場合に、スキャンダルなどまで想定できるだろうか。そうなった場合のリスクをきちんと話しておけば、徳井さんも“それなら、さすがに”となった可能性はある」。

 紗倉まなは「私は税理士さんに丸投げしているが、やはり、学校などでは納税に関する知識は教えてもらえない。どういう税金の種類があり、こういう納税をしないとこういうリスクがあるということや、節税に関してもここまでのラインまでならある程度余裕があるといったことを税理士さんに一から教えてもらって、ようやく理解できたところがあった。そういった巡り合わせが徳井さんになかったのだとすれば、私としても危機感を覚える」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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緊急会見ノーカット
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