10月30日、映画『HiGH＆LOW THE WORST』大ヒット御礼！応援上映スペシャルが新宿ピカデリーにて行われ、その後行われた囲み取材に、出演する前田公輝、塩野瑛久が出席。大反響の喜び、さらに役への愛を語った。
『HiGH＆LOW THE WORST』は、累計観客動員450万人・興行収入65億円突破の、男たちの友情と熱き闘いをメディアミックスで描く『HiGH＆LOW』シリーズと、累計7500万部突破・不良漫画の金字塔『クローズ』、『WORST』との奇跡のクロスオーバーが実現した1作。前田は漆黒の凶悪高校と呼ばれる鬼邪高校にて、優等生風な見かけながら全日制で事実上ナンバーワン実力者の轟洋介を演じ、塩野は有名不良高校・鳳仙学園でリーダーを支える幹部であり、参謀の小田島有剣を演じた。
この日の応援上映の熱狂もすさまじく、前田や塩野が出るたびに歓声が起こり、さらにふたりの戦闘シーンでは狂喜乱舞といった状態で拍手が起こったり、「顔がいいー！」の叫びがこだました。熱烈に応援してくれる観客について、前田は「SNSで（反響が）届いたりするので、“そこ、気づいてくれたんだ！そんなところまで考えてくれているんだ！”と思うんです。伝わるんだな、という驚きと、感謝とやりがいがあります！」とうれしそうに声をあげた。
塩野も、「本当におっしゃる通りで、僕なんてストーリーでは小田島は何かを成し遂げた人間でもなく、背負うものが描かれているわけではないので、そこから皆さんがちゃんと僕が思っていたバックボーンを理解してくださっていたりして。すごいな、僕の心が読めているんじゃないかな、と思うくらい。推理力や観察力がすごいと思う」と、ファンへの感謝の言葉を重ねた。
初めての2ショット取材となったふたりは時折、顔を見合わせ、「なんかね、敵同士だったけどね」と温かい空気を漂わせる。撮影中でもお互いを意識したところがあったか聞けば、前田は「当時はなかったですね。役もまるで違うし、最初、小田島は轟に近い感じはあったけど、並んだら顔…塩野くんと似てないと思うんですけど。なんか今、似ているところを探し中です（笑）。僕ら、上っ面ではしゃべらなさそう、クールそうにみえるから、役をあてがう人が轟、小田島につながるのかな？」と塩野に振れば、塩野も深くうなずいていた。
役への理解が深いふたりでも知られるが、互いの役について話が及ぶと、前田は「小田島は一番嫌。一番踏み込めない領域があるんですよね。小田島は考えないで自分に正直に生きていて、正直に生きられないのが轟だと思うので。小田島とはしゃべりたくないし早いところ倒したいって。どこかしら臆病なところが轟にはあると思うので、狂わされそうで怖いんですよね」と塩野を見つめながら、しみじみと思いを吐き出す。
すると、塩野は急に、「カットされましたよね？ふたりで向き合い直すところ」と本編に載らなかった戦闘シーンについて話を始めた。一瞬考えた様子だった前田も、「あった！ 1ポーズやってから（アクションして）ください、があったんですよね。久保さん（監督）が“一番キレイな戦いだ”って言ってくださって。でも結局ダメだった（笑）」と幻のカットに思いを馳せていた。
シリーズの枠を超えて愛されている『HiGH＆LOW THE WORST』に、大きく貢献した前田と塩野。最後、作品で得たものについて尋ねると、前田は、「アクションが確実に好きになったというか、自信が出ました。いろいろな現場で今後アクションがきても、臆病になることはないと思う。もうアクションおたくになりつつあるし（笑）、好きになりました。『HiGH＆LOW』に感謝です。技が増えた実感があります」と、引き出しが増えたことへの充足感を示す。
塩野は、「同年代の役者たちがいっぱい集まって、切磋琢磨してやっていく中で何を残せるかなという…僕はたぶん根本はそこなんです。エキストラみたいなところから始まって、台詞がほしいし、カメラに映してもらいたいし、もっとやりたいし、役をもらいたい。今回できることはやれたかなと思いますが、もっと役者として注目してもらえるようになって、もっと素敵な役に会いたいと思っています。『HiGH＆LOW』が光を見させてくれました」と締めると、前田がぼそっと「いい話、聞けた」と言い、ふたりはまた顔を見合わせ笑顔を交わしていた。次なる作品にも期待がかかる、若手実力派俳優が誕生していた。
『HiGH＆LOW THE WORST』は大ヒット公開中。
取材・文・写真：赤山恭子
