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(岡山大会で地元凱旋を果たしたのどか(右から2番目)とユキ(右端)。ご当地ヒーロー「JA戦士シャイン」も応援に)

 DDTグループ全団体の選手が集結する両国国技館大会(11月3日)では、団体の枠を超えた対抗戦的な意味合いを持つカードも組まれている。しかも、それは男子vs男子に限らない。本戦のカードの一つ、ガントレットタッグマッチ(勝ち残り形式)には、納谷幸男&コーディ・ホール、上野勇希&吉村直巳、坂口征夫&中津良太、勝村周一朗&岩崎孝樹に加え伊藤麻希&クリス・ブルックスの男女タッグもエントリー。さらに、東京女子プロレス所属の「爆れつシスターズ」天満のどか、愛野ユキ組も名乗りをあげた。

 のどかとユキは実の姉妹。ユキは姉を慕って入門し、昨年5月にリングアナウンサーから選手に転身している。のどかはシングル王座、姉妹ではタッグ王座に挑戦経験があり、今まさに実力上昇中のタッグだ。ショルダータックル、セントーンなどパワーと“重さ”を活かした攻撃が持ち味。スタイナー・ブラザーズばりの合体ブルドッグも得意としている。

 10月19日のDDT両国KFCホール大会オープニングでガントレットタッグ参戦をアピールしたのどかとユキ。男子選手たちとの対戦にも「他のチームはぽっと出でしょ?」(のどか)と言ってのけた。その根拠はチームとしての歴史。爆れつシスターズの始まりは妹のユキが生まれた時点から、つまり25年だとのどか。チームワーク、絆の強さが違うというわけだ。納谷とホールの“2メートルタッグ”もいる中で、女子の爆れつシスターズが体格的に不利なことは否めない。その一方で、2人がレスラーとして自信を深めていることも間違いない。

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(シングル王者・中島との「東女特撮部」でトリプル攻撃も)

 10月14日、東京女子プロレスは岡山大会を開催。首都圏、5大都市以外での開催だったが、会場のおかやま未来ホールは増席した上で超満員札止めに。すでに来年の開催も決定している。この岡山大会は、姉妹の地元凱旋興行。メインイベントに中島翔子とのトリオで登場すると、姉妹の合体殺法で快勝した。また試合だけでなく、大会のプロモーション活動で得たものも大きかったようだ。

「いろんなところに営業に行かせてもらって。プロレスをそんなに見たことがない人でも岡山出身だと言うと『応援するよ』って。温かかったですね」(ユキ)

「私の目標は、地方でもプロレスが週末の選択肢になること。今回はそれが少し広まったかなと」(のどか)

 47都道府県で東京女子プロレスの興行を開催するという目標もできた。DDT両国は、意識を新たにして臨む大一番と言っていい。そんな姉妹の意気込みを感じてか、ツイッター上では坂口が反応。中津とのタッグを「爆れつブラザーズ」と名乗りだした。それだけ姉妹に存在感があるということだろう。組み合わせ、勝ち上がりにもよるが、両国大会当日は“爆れつ対決”にも期待したい。

文・橋本宗洋

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