久々のDDT参戦を果たしたケニー・オメガの発言が波紋を呼んでいる。
ケニーは11月3日の両国国技館大会に出場。自身が副社長を務めるAEWの女子王者・里歩と組んでアントーニオ本多&山下実優に勝利。DDTならではのカードと笑いありハードな攻防ありの試合内容で喝さいを浴びた。その翌日に行なわれた記者会見にもケニーは出席。DDTでの試合を「非常に楽しかった」と語り、今後のDDT参戦についても「僕にはミックスとタッグマッチを広めるという夢がある。相応しい相手がいれば出ることになる」とコメント。ケニーはAEW女子部門を担当しており、自身が男女混合タッグで対戦することで選手の発掘をしていきたいと考えている。
舌鋒が鋭くなったのは、DDTの新世代についてコメントした時だ。ケニーはDDTを離れ新日本を主戦場にしていく際、竹下幸之介&遠藤哲哉のタッグに敗れ、彼らにDDTの未来を託している。だからこそ両国でも彼らの試合に注目していたようだが、ケニーが口にしたのは辛辣な言葉の数々だった。
「竹下と遠藤には“興味深いね”くらいしか言うことがない」
「肉体的な変化はあったけど、ハートが変わっていなかった。DDTファンの心すら掴めていない。それが昨日(両国で)明らかになったことだ。竹下は凄く大きくなっていた。遠藤はボディビルダーみたいな体形になっていた。けどリングでやっていることは何も変わってない」
「僕は住む世界が違う。彼らは世界に向けてやっているのか。IWGP、G1を獲れるのか。東京の外に出てどれくらい知名度があるんだ」
さらに、対戦したらどうなるかという質問にはこう答えている。
「今、僕がDDTファンが愛する遠藤や竹下と試合をしたらDDTファンに見せたくないものを見せることになってしまう。僕はDDTが大好きだから、そういうことはしたくない」
見限ったのか、それとも愛ある苦言か。あえて竹下と遠藤を挑発しているのか。今後のDDT参戦が未定の段階でここまで言うのは異例だ。そしてこの“ケニー発言”に、当事者たちもすぐ反応している。以下は竹下と遠藤のツイートだ。
「ケニーはいつも竹下と遠藤に本気でアドバイスをするときは、必ず英語で。だから今回もその本気を感じた。けれどもこうまで言われて黙ってられない。今の竹下幸之介。そして、遠藤哲哉を。闘って感じてほしい」(竹下)
「説得力有りすぎて5年前だったら確実に心折れてただろう。貴方は世界のケニー・オメガになった。俺は外の世界を知らない。都合良すぎると思われるかもしんないけどさ、貴方と俺達の5年間を比べるチャンスが欲しい」
ケニーの主戦場はあくまでAEWであり、副社長としての業務を考えると、竹下、遠藤とケニーの対戦は簡単に「実現か!?」とも言えないものだ。しかしどちらにもDDTへの思いがあるから、この摩擦が生まれているのは間違いない。ケニーとDDTの今後が、さらに見逃せないものになった。
文/橋本宗洋
写真/DDTプロレスリング