こんにちは。青木真也です。回遊魚です。

 ONE日本大会での試合が終わって3週間が過ぎました。時間が経てば試合後の多幸感は薄れていくし、キャリアを重ねれば重ねるほどに多幸感の持続時間は短くなって、アップダウンが少ない平坦な生き方になっていきます。

 とは言っても、格闘技選手という生き方をしていれば、アップダウンはあるし、自分の物語を魅力的なものにするために、日々刺激を探して試行錯誤していきます。刺激を求めるのか、安定を求めるのかでキャリアは変わってくるのですが、僕は挑戦していきたいし、自分の可能性を使い切ることを目標にしている。だから、挑戦を忘れずに自分の物語を自分で作っていくことを大事にしています。

 挑戦だったり、自分のキャリアをデザインしていく話でいえば、K-1の皇治選手がK-1との契約に対して違約金を払ってでも、他団体の選手と試合をしたいと記者会見でぶち上げて話題になっておりました。この発言の是非については立場によって違う部分もあると思うのだけれども、K-1の了承を取らずに記者会見でぶち上げた言葉だとしたならば、挑戦と自分でキャリアを作っていこうとする皇治選手の姿勢であると感じます。諸問題はゴロゴロとしているのだろうけれど、そこには共感はできます。同意できるかどうかはまた別の話ですが。

 皇治選手はキャリアの終わりが自分で見えてきたと思うのです。自分自身で考えてみてもキャリアの終わりは見えていないのだけれども、ベストパフォーマンスの賞味期限が見えてくるとできる限りの挑戦をしたくなるし、若いときになぜアレをやっておかなかったんだと思うときもあります。そのレベルの後悔は誰にだってあるでしょうし、これからの頑張りで過去の解釈はいくらでも変えられるのだから、後悔という話ではないです。

 キャリアの終盤が見えてきたからこそ、逆算して自分の可能性を使い切りたい心境は僕にもわかるからこそ、納得いくキャリアを送れることを祈ります。皇治選手に関しては優秀すぎるほど優秀に自分のキャリアを作ってきた選手であるから、何も心配はいらないだろうし、楽しませてもらおうと思っています。

 僕自身もここ1年から2年でやりきりたいと言いながら、自分のベストパフォーマンスはとっくに過ぎたと思いながら、今がベストだと思うし、まだまだ成長しているし、身体の衰えも感じないから、僕はやれるところまでやります。いろんなことを取り入れることで伸びていくと思うし、強くなる策は格闘技の練習だけではないと心から思っています。

 さて11月17日には大仁田厚と電流爆破マッチをします。世代的にも大仁田vsテレビ朝日・真鍋由アナのやり取りをリアルタイムで観ていたので、20年前の僕に「大仁田とプロレスをするよ!」と言ってあげたいところです。「やり取り」とは、大仁田が真鍋アナにビンタをしたり、「お前は俺の電流爆破見たいか!」と聞かれ「大仁田さんの電流爆破、見たいです!」と男の友情的やり取りのことです。

 目標を持たずとも目の前にあることをコツコツとやっていれば実現することはあるのです。暑さ対策としてシンガポールで短期合宿を敢行します。

文/青木真也(格闘家)

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