動物の健康と幸せを第一に考える「動物福祉」に特化した、福岡県大牟田市動物園を舞台にした映画『いのちスケッチ』は、動物の命と向き合う飼育員の挫折や成長が描かれる温かい1作。主人公の亮太を演じたのは、劇団EXILE佐藤寛太。漫画家になる夢が潰えて地元の福岡県大牟田に帰り、園でアルバイトをすることになりもがいていく様子を、等身大で見せた。佐藤に、主演作に向けての想いを語ってもらった。

主演作への想い「自分が磨かれるんじゃないかなと思った」

――オファーを受けたときの第一印象は?

佐藤: 自分の出身が福岡なので、大牟田市が舞台の作品に出られることがひとつ親孝行になるなと思ってうれしかったです。台詞も大牟田弁を使っているので、故郷の言葉を使ってしゃべれる喜びが、すごく大きくて。演じた亮太は漫画家を目指して上京するんですけど、自分も俳優になりたくて上京したので、心情も重ね合わせやすかったです。本当に共感できるところが多い人物でした。

――これまでは比較的学園ものや青春映画が多かった印象の佐藤さんですが、そんな中、『いのちスケッチ』のような作品のオファーがきたことについては、どう受け止めましたか?

佐藤: タイトルにも入っていますが、「いのち」をテーマに動物と向き合っていく作品は何度もくるものではないと思うので、すごく大事に受け止めていました。それに、ご一緒するキャストの皆さんを聞いたときに、僕と同じくらいの世代の方から武田鉄矢さんのような大ベテランの方まで、たくさんいらっしゃることもうれしくて。皆さん全員と関わっていける役どころでもあったので、自分がすごく磨かれるんじゃないかなと思ったんです。作品を通して大きく成長できればいいなと思いましたし、その分、思い出になる1本にできればと臨みました。

――実際、飼育員を演じるにあたってかなり勉強されたとか?

佐藤: もともとが知らないことだらけだったので、飼育員を演じるキャストは全員、掃除をしたり、動物に目薬をさすなどの体験をさせていただきました。大牟田市動物園は、動物に自主的に何かをしてもらう園で、本当に動物のためを思っているところなんです。飼育員さんに対しては、漠然と小さい頃のイメージのまま「やさしくて親切なお兄さん、お姉さん」だったんですけど、今回いろいろと教えていただく中で、プロとしての姿というか、動物に向き合う人たちの強さを教わりました。動物の生き死にも関係してくる職業なので、命に携わる仕事は人をすごく強くするんだなとも思いました。

仕事の相談するのは先輩俳優・志尊淳「尊敬できるし、優しい」

――飼育員を始める前の亮太は漫画家を目指していて、ままならない気持ちを抱えています。一方、佐藤さんは順調にお仕事をしていて、ご自身と照らし合わせてどう思いましたか?

佐藤: 今はこうしてお仕事をいただけていますけど、自分の仕事に常に満足をしているわけではないので、亮太の気持ちはわかります。演じている中で、自分が本当に表現したいことがそのまま出ているのかなと思うときもありますし、「どういう役者になりたいか」もずっとわからなかったりしました。僕は劇団EXILEというグループに所属していますけど、先輩もそれぞれ個性が全然違うので、自分の先をそのまま歩いている人を見つけることもなかなか難しくて。それに、僕らの事務所は本当に仲がいいので、僕も打ち解けすぎて身内のような感覚になっているところもあると思うんです。

――例えば、俳優で仲のいい先輩も多くいらっしゃると思うんですが、そのあたりは?

佐藤: 確かに、そうですね。ほかの事務所の先輩俳優に会うと「そういう見方があるんだ」と勉強になることがあります。仕事の相談をしたときに、一番「そうなんだ!」という答えを返してくださるのは(志尊)淳くんです。僕、何でも淳くんに相談するので。「今、こういう状態で、こうなんです」と説明すると、淳くんは「じゃあもうすぐ、こういう風に変わっていくね」とか「こういう悩みになっていくと思うよ」と言葉をくれるんです。しかも、その通りの結果や経験になっていくので、淳くんにはすごく頼っています。尊敬できるし、優しい先輩です。

――亮太のように「地元に帰りたい」と思ったことはないですか? 

佐藤: ないです!ホームシックとは違う意味で、実家がすごく好きなので「実家に住みたいな、実家から通いたいな」とは今でも思いますけど。

高い熱量で臨む現場 ベテラン俳優・武田鉄矢と対峙して

――本作では座長という立場でした。心がけていたことがあれば教えてください。

佐藤: ほかの現場にて、主演の方の熱量がそのまま作品の熱量に変わっていくのを何度も経験したので、自分が同じ立場になるときには「常に100%でいたい」と決めていました。かなり集中していましたし、変な意味ではなく、ご一緒する皆さんにも伝染すればいいな、と思ってやらせてもらっていました。今回の現場はインターンの人も多くて、年齢層が全体的に低かったんです。だからかエネルギーも詰まっていて、逆に自分もすごくいい影響を受けていました。明るい雰囲気が、作品にそのまま反映されていればいいなと思います。

――前述で「自分がすごく磨かれれば」といったお話もありましたが、そのあたりは?

佐藤: 武田鉄矢さんとのお芝居が、本当に印象に残っています。武田さんは高い熱量を持たれていましたし、言うならば「やるから、ついてこい」という感じの方なので、本当に勉強させてもらいました。本編には残念ながら入っていないんですが、武田さんがアドリブでパスしてくれて、僕が返したシーンがあったんですね。撮った後、武田さんが一言「よくついてこれたね」と言ってくださって、すごくうれしかったんです。シーンに載っていないからこそ、自分にとっては宝物になったというか、いい体験になりました。

――ちなみに、劇団のメンバーさんは作品をご覧になりましたか?

佐藤: いえ、まだ誰も観ていないはずです(※取材日時点)。鈴木(伸之)さんが最初に観てくれると思います。試写会にもよく足を運んでいらして、誰が何に出ているのか、全部の作品を把握してくれていて…あれだけ忙しいのに、本当にすごいと思います!作品を観るだけではなくて、ネットニュースも読んでくれて「今日、舞台挨拶で俺の名前出してくれたんだね!うれしいよ!」とかも言ってくれるんです。すごくうれしいし、刺激を受けている先輩です。

――来年には、劇団EXILE9人総出演の舞台『勇者のために鐘は鳴る』も控えています。

佐藤: 僕ら9人は主に役者として活動させてもらっていますが、初めて全員が一緒に出る舞台になります。全員で台本の段階から意見を出させていただいて、出演+プロデュースという形でやらせてもらうんです。キャラクターも誰がどの役を演じるとかもまだわからない段階で、いろいろ試行錯誤している状態です。本当に隠しているわけではなく(笑)、全貌はまだこれから、です。『いのちスケッチ』ともども、楽しみにしていてほしいです!

映画『いのちスケッチ』は2019年11月15日(金)全国ロードショー、11月8日(金)福岡県先行ロードショー

(C)2019「いのちスケッチ」製作委員会

取材・文:赤山恭子

写真:You Ishii

▶動画:佐藤寛太出演『僕の初恋をキミに捧ぐ』番外編

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