11月8日フィリピン・マニラで開催されたONE Championship「ONE：MASTERS OF FATE」。リー・カイウェン（中国）がポール・ルミヒ（インドネシア）を圧倒的な打撃で倒し激戦の続くバンタム級戦線に名乗りをあげた。
そのファイトスタイルから中国版・五味隆典とも称されるカイウェンだが、コナー・マクレガーを彷彿とさせる全身タトゥーとオラつきもキャラに加わり存在感を増している。この試合でもアグレッシブなファイトスタイルをリング上で体現し、次世代のスター候補として存在感をみせた。
開始すると相手に向かって猪突猛進で飛び込むカイウェン。ルミヒのハイキックでかすりながらもテイクダウンを奪う。幼い頃から学んでいるというカイウェンのレスリング技術は確かなものだ。ガッチリとフロントチョークを狙うが、ここはまだ余力のあるルミヒに回避される。
スタンドでは、両者ノーガードの打撃戦、パンチのフォームは「火の玉ボーイ中国版」と言いたいくらいそっくりだ。カイウェンの大ぶりのパンチだが、徐々にボディに当たりはじめ、さらにまとめてヒザを叩き込むなど勢いは止まらない。ダメージの大きなルヒミもなんとかヒザのラッシュは逃れたものの、左右のストレートにとどめの右アッパーで遂に崩れ落ちた。
マウスピートを投げオラつくふてぶてしさもさることながら、万国共通好まれるアグレッシブさを持ち合わせた中国勢から登場した新たなタレント、カイウェン。元UFCファイターのジョン・リネカーが参戦、10月の日本大会では再戦が続いたビビアーノ・フェルナンデスとケビン・ベリンゴンのタイトル戦も決着がついた。日本の佐藤将光も実力と実績では十分にタイトルへの権利を持つ。新鋭カイウェンも加わり、ONEのバンタム級もいよいよ群雄割拠の時代に突入しようとしている。
