将棋の王将戦挑戦者決定リーグ戦で、藤井聡太七段(17)が久保利明九段(44)と11月14日、午前10時から対局中だ。藤井七段は同リーグの結果次第で、史上最年少でのタイトル挑戦記録更新がかかっており、本局は非常に重要だ。
トップ棋士7人で行われている挑戦者決定リーグ戦。藤井七段は4局を終えて、3勝1敗の好成績を収めている。現在、暫定トップに立っているのは、4勝1敗の広瀬章人竜王(32)。「広瀬 対 藤井」という直接対決を最終戦(19日)に残していることから、藤井七段が久保九段に勝利した時点で、4勝1敗同士の“挑戦者決定戦”になる。
一方、久保九段に敗れた場合は、挑戦権獲得に一気に黄色信号が灯る。同リーグの規定では、勝敗数が並んだ場合、昨年度の成績をもとにした「順位」が上位のものが優先される。予選から勝ち上がった藤井七段は5位、広瀬竜王は3位。この2人だけが最終成績4勝2敗同士で並べば両者によるプレーオフだが、3人以上になった場合は複雑だ。
2人を追う豊島将之名人(29)は明日15日に糸谷哲郎八段(30)と対戦。勝利すれば4勝2敗となる。豊島名人の順位は4位。広瀬・豊島・藤井の3人で並んだ場合、藤井七段はプレーオフに参加できず、広瀬竜王と豊島名人の2人で挑戦者決定戦を行う。つまり、藤井七段が久保九段に敗れ、豊島名人が糸谷八段に勝利した時点で、藤井七段の挑戦の可能性は消滅する。
また、可能性を持つのは、5位の羽生善治九段(49)も同じ。最終戦で糸谷八段に勝利すると、4勝2敗に。広瀬・羽生・藤井の3人になった場合は、3位・5位・5位のため、3人によるプレーオフになる。最大で広瀬・豊島・羽生・藤井の4人が並ぶ可能性があるが、この際は「広瀬 対 豊島」のプレーオフだ。
数多くの最年少記録を樹立してきた藤井七段。はたして今回も大記録達成になるか。
◆藤井聡太七段と挑戦者決定リーグ
藤井七段が久保九段に勝った場合 → 広瀬竜王と4勝1敗同士となり、最終戦で挑戦者決定戦
藤井七段が久保九段に敗れた場合(1) → 豊島名人が糸谷八段に勝利した時点で挑戦の可能性は消滅
藤井七段が久保九段に敗れた場合(2) → 豊島名人が糸谷八段に敗れ、羽生九段が糸谷八段に勝つ、さらに藤井七段が広瀬竜王に勝った場合は、広瀬・羽生・藤井の3人プレーオフ
藤井七段が久保九段に敗れた場合(3) → 豊島名人、羽生九段がいずれも糸谷八段に敗れ、藤井七段が広瀬竜王に勝った場合は、広瀬・藤井でプレーオフ
(写真提供:日本将棋連盟)