「昨年末に日本中が震撼する暴言を吐いて世間から叩かれたとき、ここまで言われないといけないのかと思った。言った方が悪いという意見もあるが、『暴言を言うな』と言っている人がそれ以上の暴言でくる。あの時は死のうと思った」
そのように苦しかった日々を振り返ったのは、2017年の漫才日本一を決めるM-1グランプリで優勝を果たし、辛口コメントやぼやき芸で人気を博すも、2018年の年末に酒に酔って先輩芸能人を批判した動画がSNSで拡散したことを受けて大炎上したお笑いコンビ・とろサーモンの久保田かずのぶ。そんな久保田が、SNSで心無い書き込みを繰り返す人間に実際に会いに行くという大胆な行動に出た。これは12日にAbemaTVで第1回が放送されたSNS追跡ドキュメント『書き込むアナタに会いに行きます』であるが、その発案者は「過ちを犯した人間に対しては何を言ってもいいのか?」と、過激な炎上が散見されるSNSの実情に危機感を抱いた久保田本人である。
■コメ主の素顔は港区在住30歳、テレビの代わりにPCを2台持つSE
12日に放送された第1回目では、アカウント名「黒川老人会」を名乗り、お笑いタレントのクロちゃんなどを中心に辛辣コメントを繰り返す都内在住の30歳SEのもとを訪れた。この人物は久保田にも挑発的な書き込みを行っており、番組スタッフの取材要請を快諾している。「普通のロケじゃない。文句を書いた人の家に普通は来ない」と漏らし、恐る恐る訪ねた人物は意外にも笑顔で久保田を迎え「面白そうだから」と興味本位で応じたことを明かした。
東京港区にある1DKの自宅マンションに上がると、テレビの代わりにパソコンが2台。本人曰く「ネットの情報だけ」で生きているという。番組放送時のフォロワーは30名ほどで、実際に面識のある人物はない。クロちゃんや久保田などに対しては批判的な書き込みが多く見られるが、書き込みに返信してくれるタレントに対しては好意的な書き込みをするという。「返信が来たという充実感、タレントがこっちを向いてくれたということに満足しているだけでしょ?」という久保田の問いには「そうですね」と応じた。
さらに書き込みに対して問い詰める久保田に「死ねや殺すなど、相手を傷つけるだけの言葉は書かない」と応じた同氏。さらにクロちゃんへの書き込みに対しては「クロちゃんはそういうことを気にしない。むしろオッケーと話していた」と正当性を主張したが、この言葉に対して久保田は「誰もオッケーする人はいない」と遮ると「誰も気持ちいとは思っていない。集団で叩かれるとそれが風潮になり『もっと叩いてやれ』と拡大する。傷つく傷つかないを自分のモノサシで測っているけど、傷ついている人は傷ついている。基準はアナタではない」と被害者側の心境に対して理解を訴えた。