「虚栄心やプライドが砕けたから見えてきた生活」元SDN48・大木亜希子“57歳おっさんとの同棲”が共感を呼ぶ理由
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 「そこそこ可愛いと思っていた自分は、ある日、いきなり世の中から弾き飛ばされた」「私は決断をした」「“ササポン”57歳との、奇妙な同棲生活をスタートさせてみたのである」。

 アイドルグループ・元SDN48のメンバーでライターの大木亜希子さんが上梓した『29歳、人生に詰んだ元アイドルは「赤の他人のおっさん」と住む選択をした』が共感を集めている。

 15歳で芸能生活をスタートさせ、ドラマなどにも出演。20歳の時にSDN48に2期生として加入、その後、一般企業に就職した。

 「22歳のときにSDN48が一斉卒業で解散になってしまい、路頭に迷った。地下アイドル活動を経て、25歳で会社員としてウェブメディアの仕事を始めたが、慣れないことで心も身体もボロボロになった。男性とはご飯などには行ってもなかなか成就せず、婚活にも焦りを感じていた。そんな時、ある日に地下鉄の駅で足が動かなくなってしまった。会社を辞め、貯金が10万円を切り、これからの生活をどうしようかという時に、“57歳のサラリーマン男性の部屋が1つ空いているらしいから、一緒に住めばいいよ”と姉に勧められた。90年代から2000年代初頭にルームシェアが流行っていた頃、姉も住まわせてもらっていた時があったようで、そのお鉢が回ってきた」。

 こうして、28歳だった昨年5月、「ササポン」との同棲が始まり、昨年12月、その暮らしぶりを綴った記事がネットで話題になる。

 「おじさんというと説教が好きな方もいるが、ササポンはシンプルな方で、説教などはしてこない。きちんと一線を引いてくれているので、恋人でも家族でもない“赤の他人”という言葉がしっくりくる。よく“ササポンは女性として見ているはずだ”とも言われるが、本当にそういうことは1ミリもない。それでも元アイドルがおじさんと住んでいるという話が面白いものとして認知されたようで、Twitterを開くとフォロワーさんが数千人も増えていた。世の中から白い目で見られるかもしれないと思ったが、たくさんの方の共感が得られてびっくりした」。

 慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「“シェア”や“バズ”というものは、それ単体が面白いというよりも、“ギリギリ分かる”“私にもそんなことが起きたら”という共感性の高いものがより広まると思う。大木さんの話も、ネットの社会とマッチしたのは、あり得ない話のようであって、“もし自分がその立場だったら”と置き換えて妄想したり、続きが聞きたくなるからだと思う。逆に、“イケメンの金持ちと結婚してヒルズに住むぞ”という話には、そういう共感はない。だからこそ、ササポンさんの情報が漏れてしまうとブームは終わる。わからないからこそいい」とコメント。

 ふかわりょうが「カラテカの矢部太郎さんの『大家さんと僕』のように、人との関係性によって生活にいろどりが生まれると思う。1人だけの生活を綴っても自分自身の色というものが明確には出ないが、ササポンさんとの共鳴によって、自分の存在意義や見えてくるものがあるのではないか」と質問すると、大木さんは「本当にその通りで、ステージに立つ仕事をしていたときは虚栄心やプライドがあったし、“ハイスぺ男子を捕まえて、六本木ヒルズあたりに住むぞ”と頑張って生き急いでいた。それが会社員になった瞬間、木っ端微塵に砕けてしまった。しかし、木っ端微塵になっていなければ、ササポンのことは見えていなかったと思う。こののほほんとした生活を続けながら、ライターとして頑張っていきたい」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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おっさんと同棲する元アイドルが生出演
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