おはようございます。青木真也です。シンガポールのチャンギ国際空港からです。22日に行われたONEシンガポール大会弾丸レポーターとして行ってまいりました。
日本大会後の日本人選手を取り巻く状況は厳しく感じています。今大会もプレミナリーファイトに2試合とお世辞にも中心で組まれているとは言えない状況でした。その中でも上久保選手が勝利を挙げてONE参戦から4連勝の成績は今後の希望でありました。
上久保選手の終始コントロールして、徹底的に勝負にこだわる姿勢は同じファイターとしては伝わる試合でした。苦しい試合だったと思うし、日々の真摯な取り組みあっての試合でした。ここから先が見えやすくなった試合だと思います。上久保選手のコメントにもあるように「かませ犬」からのし上がって行く姿勢には惹きつけられます。おめでとう!
ただ勝利は大切なことは重々承知なのですが、フィニッシュが欲しいと感じたことも事実です。勝つことはもちろん大事なのだけれども、フィニッシュの重要性も忘れてはいけないのです。これはプロモーションを問わず重要視されていて、UFCではジョンフィッチやジェイクシールズなどの試合をコントロールして勝利するファイターに対しては厳し目の契約リリースをしてきたこともあるし、ONEでも勝ち方が良い選手は良いマッチメイクをされやすいように感じています。インパクトのある勝利といった点では4連勝といえどもタイトル戦へとはならないだろうし、勝負マッチメイクがもらえていないのがそれを表しているように見えます。
フィニッシュすることで説得力が生まれるし、勝ち方がいいと幻想も生まれて、実際に実力よりも大きな評価を得ることも可能です。フィニッシュすること、圧倒することは大切です。フィニッシュしよう。
技術的な話をするとフィニッシュするファイターは技術であるし、それは単純に技術だけではなく、経験やメンタルも絡みあう複雑なものなのでフィニッシュしろと言われてできるものではないから難しいところですが、コントロールして勝てばいいとなってしまうのもまた違うし、やはりフィニッシュを頂点において、そこを目指してやってほしいところではあります。格闘技だからね。
フィニッシュをしないとインパクトが薄い。現地レポートを協力してくれた松井珠理奈さんが一番の話題になっている事実がそれを表しているじゃないですか。まあちゃんと仕事をして、しっかりと爪痕を残していく松井珠理奈さんにはただただあっぱれです。インパクトある勝ち方をして、松井珠理奈さんの話題をかき消すくらいしたいじゃないですか。松井珠理奈さんありがとうございました。
日本大会以降の日本人選手を取り巻く環境は厳しいです。それは試合数が組まれていないことからもわかります。価値はもちろんのことインパクトのある勝ち方を積み上げて、もう一度作り直していこうではないか。今日からまた積み上げていこうか。
文・青木真也