ドコモとAmazonが新料金プランで連携…大手キャリアと巨大ITの連携に懸念はないのか?
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 NTTドコモが26日、新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」に契約することで、映画や音楽コンテンツを楽しめる「Amazonプライム」が1年間無料で楽しめるという取り組みを発表した。

 会見で吉澤社長は「Amazonとはすでにd払いで連携しており、今回の連携も自然な流れだ」と強調、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長も「アマゾンはNTTドコモとの今回の新しい取り組みにご一緒させていただけることを大変に光栄に思う」と話した。

ドコモとAmazonが新料金プランで連携…大手キャリアと巨大ITの連携に懸念はないのか?

 会見を取材したITジャーナリストの石川温氏は、今回のプランについて「2年縛りの見直しや端末料金と通信料金の分離によって、ドコモの契約から抜けやすくなった。しかし基本料金を下げたくないというのが本音なので、“おまけ”を付けことによって、高いのか安いのかがわかりにくくし、何となく得した気分になってもらおうということだ。今回もAmazonプライム1年間無料のオプションを付けることで、とりあえず1年は使い続けてもらえるのではないか、という狙いがあると思うし、今後、期間が延長される可能性も十分にある」と説明する。

 その上で、ドコモが提携先に選んだのが、GAFAの一角であるAmazonだったことについては、「ドコモは今まで自前のdマーケットを一生懸命作っていたが、ディズニーデラックスのように、外部から集めてくる調達路線に変わってきていると思う。また、有料サービスを運用するネット企業としては、キャリアと組めることは、非常にうまみがある。今までAmazonを使ったことがない人がドコモショップで契約してくれるようになれば、ユーザー拡大につながる。日本で最もシェア大きいキャリアと組んだことで、Amazonはさらに日本での影響力を強めてくると思う」(石川氏)。

ドコモとAmazonが新料金プランで連携…大手キャリアと巨大ITの連携に懸念はないのか?

 リディラバ代表の安部敏樹氏も「すでにソフトバンクにはヤフーがあり、楽天も携帯電話事業に参入してくるとなると、ドコモとしてもECのプラットフォーマーと組むことで流通総額を大きくしておきたいと考えたのではないか。Amazonとしても、クレジットカードを持っていないユーザーも取り込めるようになるので、決済機能を持つキャリアと組むメリットは大きい」と話した。

 他方、すでにKDDIもFacebook傘下の「インスタグラム」と連携、5G時代を見据え、ARやVRを使った新サービスを共同開発している。検討中のサービスとして、商品を撮影、自らの写真と重ねることで、試着や化粧イメージをチェックできるというサービスがある。

 石川氏は「KDDIは5G時代のキラーコンテンツが欲しいという考えがあり、同じくVRを一生懸命やっているFacebookと方向性が一緒だったので、“うちは回線を提供するから、Facebookはサービスを提供して”ということで利害が一致したのだろう。実はKDDIはかなり早い段階でGAFAと組んでいて、Googleとは2007年、Facebookとも2011年から連携するなど、先見性があった。ソフトバンクも、ヤフーとLINEがくっついて、“日の丸”としてGAFAと戦っていくという方向にあると思うが、やはり通信料金だけでは稼げなくなっていく中、決済や通販で稼ぐ部分では、各社の戦略が分かれてきた」と分析。安部氏は「KDDIだけeコマースにすぐ直結しないで間にコンテンツを挟むので、その点はドコモ・ソフトバンクに比べて、やや出遅れているし、難しい感じもする」とコメントした。

ドコモとAmazonが新料金プランで連携…大手キャリアと巨大ITの連携に懸念はないのか?

 ただ、通信キャリアと巨大ITが連携することに対する懸念もないわけではない。

 クリエイティブディレクターの三浦崇宏氏は「ソフトバンクがやっているOYOがわかりやすいが、家の外にいる時の情報はスマホに吸い上げられていて、家にいる間の室温や水道・電気の使用量などの情報は住宅に吸い上げられる。GAFAも、スマホやネット上だけでなく、暮らしをどう抑えていくかということを考えていて、例えばFacebookが婚活サイトを作ったとしたら、自分が過去に動画や検索履歴からAIが実際の女性を見つけてきてくれるようになるかもしれない。ドコモのスマホからすぐにAmazonで買い物ができるということも、たとえば僕が“あ”と押しただけで、何の本を欲しがっているとか、何の飲み物を買おうとするかを、すぐ予測してくれるようになるかもしれないということだ。つまり、僕よりも僕のことをスマホやGAFAが知っていて、言語化できないところまで明け渡し、支配されることになると思う。便利さに魂を捧げるようになった結果、目に入る情報が自分好みのものばかりになり、“世の中が自分のためにできている”と錯覚してしまうことさえある。最終的には意思決定までAIに左右されてしまうこともあるかもしれない。それに流されていくのか、それでいいのか、と立ち止まるのか大きなポイントだと思う」と話す。

 石川氏も「“GAFA規制法”をつくろうという話もあるが、法律でどこまで規制できるのかというと、インターネットも進化していっているので、そこは非常に難しい問題だ」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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“自然な流れ”で連携 通信キャリアの戦略から考えるITの未来とは
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