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 アニメファンであれば、作品の実写化に対していろいろな思いを持つ人も多いはず。イメージどおりと納得か、はたまた期待はずれでガッカリか。そんな中、先行公開されたビジュアルで圧倒的な好評価を得ているのが「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」(11月29日公開)だ。フランス人俳優のフィリップ・ラショーが主演・監督を務めているが、その再現度に注目が集まっている。原作者・北条司氏から直々に「原作のエピソードに入れたかった」と絶賛されたほど忠実に再現。世界観はもちろんだが、キャラクターも外国人が演じていると思えないくらい、自然と入り込むクオリティだ。ラショー本人に話を聞くと、そこには原作に細部までこだわり実写化しようという、強烈な情熱が溢れ出ていた。

フランス人が本気で「シティーハンター」を実写化してみたら…原作者も再現度を絶賛した映画へ注いだ情熱
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 アニメ「シティーハンター」は1980年代後半にテレビ放送がスタートした人気作。女好きだが、決める時は決めるハードボイルドなスイーパー・冴羽リョウを中心としたストーリーが、放送当時から現在まで長く人気を誇っている。ラショーも「007のジェームズ・ボンドみたいだよね。あんな男になりたいというか、日本のファンも憧れていた人が多いんじゃないかな」と魅力を伝えた。フランスでもアニメは放送され、当時10歳だったラショー少年のハートは、リョウの銃に撃ち抜かれた。その思いを2年近い歳月をかけて脚本に起こし、原作者である北条氏に持ち込んだ結果、ついに実写映画化が決定した。

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 ラショーと北条氏、2人の意見が一致した点がある。カオリ(槇村香)の再現度だ。エロディ・フォンタン演じる赤毛で男勝りのパートナーだが「彼女が全てのキャラクターの中で、再現度が最も高いと思います。北条先生もそう言ってくれました」。映画では、ほどよくおてんばで、それでも女性らしさが滲み出る表現を心掛けた。このあたりも、シティーハンターファンであれば「香の思いは…」「香が本気でおしゃれしたら…」と、大きくうなずきたくなるポイントだ。

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 ラショー自身、少しでもリョウに近づこうとした。ウェイトトレーニングを重ね、衣装も赤いシャツに青のジャケット。原作のイメージに沿うよう心掛けた。「他のアニメが自由にアダプテーション(脚色)されていて、僕自身ガッカリすることが多かったから…。だからこの作品で、僕自身もシティーハンターファンも、ガッカリさせたくはなかったんです」。作品を通して見れば、いろいろなシーンにファンがニヤリとする仕掛けが施されている。原作へのリスペクトであり、ファンへのメッセージだ。

 フランスでは、劇場公開前まで「全然反応は悪かった」が、公開後は評価が一変。早くも続編を期待する声が続出しているという。「フランスのスタッフ、キャストは続編をやりたいという気持ちがあるからね。あとは日本のファンの後押しがあればかな」。今年2月には、20年ぶりとなるアニメ新作「劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>」も上映され、大ヒットとなった。シティーハンターイヤーとも言うべき2019年も残すところ1カ月あまり。フランス人が本気で再現した実写映画に、今度は日本のファンがハートを撃ち抜かれる。

(C) AXEL FILMS PRODUCTION - BAF PROD - M6 FILMS

(C) Axel Films Production

(C) Pierre Lacheau & Axel Films Production

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シティーハンター - 本編 - 第1話 粋なスイーパー XYZは危険なカクテル
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劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>
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