番手に回る選手やガールズケイリン選手のコメントを深読みしてみる

今回も競輪初心者の知り合いからいただいた、この質問の応え。後編。

「コメントで何を読み解くの?」

競輪選手はレースの前日に必ずコメントを出します。

例えば『WinTicket』なら「出走表」をクリックした後、「ギア・コメント」をクリックすれば読むことが可能な選手コメントは、「誰と誰がラインを組むのか」を知るのに欠かせないものです。それをさらに深読みしてレースの展開予想に生かそうというコラムです。

前編では先行や単騎になるであろう選手のコメントを深読みしてみました。今回、後編では番手に回るであろう選手、さらにはガールズ選手のコメントを深読みしてみましょう

言葉の選び方ひとつで印象はかなり変わる

番手に回るときに基本的なコメントは「○○君(さん)」「○○君(さん)目標」「○○君(さん)マーク」などです。これだけで「○○選手の番手に付きます」という意味になります。

「○○君(さん)に任せる(任せます)」「○○君(さん)に付けます」とまで言っていると、番手に付ききる意志を強めに感じさせてくれます。ラインでワンツー決めてくれそうかなと。

「同県の○○君(さん)」「ラインの○○君(さん)へ」「もちろん○○君(さん)へ」にまでなると、同県ライン、同地区ラインのチームワークを感じられ、「○○君(さん)にしっかり」「○○君(さん)一本ですよ」とまで言い切っていたりすると、流行語大賞の「ONE TEAM」よろしく、ラインのワンツーでそのままゴールラインにトライを決めてくれそうで、二単の一点勝負したくなってしまうほどです。

一方、「地元の○○君(さん)目標」とかだと、「他県で他地区なんですけど、地元でやる気マンマンの○○さんの番手が空いているようなので、付かせてもらってもいいですか……」といった、遠慮がちな雰囲気を感じてしまって、繋がりが強い他のラインから狙いたくなってしまいます。「目標」という、いまいち本気度を感じられない言葉を使われると、特に……。

これが「地元の○○君(さん)ジカ」や「地元の○○君(さん)のハコ」だと、うしろにびったりと引っ付きますという強い意志が感じられて、他県、他地区同士のラインでも買いたくなってしまいますが、出走表をよく見ると○○選手の番手に付く同県、同地区の選手がすでにいることが多いです。つまり番手を奪い合う“番手競り”をしますよという意思表示だったりするので、レースが一気にややこしくなります。

そういうときはどっちが番手を取り切るかというよりも、競り合って共につぶれたところにうしろから捲ってきた選手が2着に入る穴目を狙っちゃいますね。頭は固い本命レースなのに、配当がわりと良くなることが多いので。

「うしろ」や「前」のという言葉の考え方

2番手ではなく3番手に付く場合は「●●(地区名)のうしろ」「●●(地区名)ライン3番手」「●●(地区名)勢へ」「●●(地区名)コンビ」などが一般的。「●●(地区名)勢追走」「●●(地区名)両者を追走」というのもあります。

これが「●●(地区名)のうしろになる」だったり、「●●(地区名)のうしろ回り」「●●(地区名)の三番手回り」とかだったりすると、3番手に回された感じがしてしまって、3着を外して買う……までにはいたらなくても、そのラインでそのまんま決着には疑問符が残る気がしてきます。

ただ、そのラインを引っ張る選手が「○○さんの前で戦う」なんていう、自分の足がタレてもガンガン行く強い意志があるのでしたら、話は別ですけどね。

ちなみにこの「前」というのが競輪のコメントではくせ者でして。

「○○さんの前で」ならば自力先行で行くということになるのですが、単に「前で」とか「前々」になると「前受け」という戦法を採るという意味になり、「レース中は前団に位置するけど、チャンスがあれば他のラインの番手を奪ったり、中団取って捲っちゃいますよ」といった、自在戦法になるのです。

追込主体の強いベテラン選手が同県、同地区の目標となる選手がおらず、ラインの頭で「前々」とかコメントしてくると、番手に飛びつく気マンマンという意思表示になるので、レースがとても難しくなります。まあ、そこを読み切って展開予想通りに決まったときの気持ちよさは格別で、それもまた競輪の醍醐味でもあるのですが。

ガールズケイリンではコメントをどう読む?

そもそもラインを組まないガールズケイリンでは「前々」というコメントは非常に多くなります。

強い選手は「自力で」「自在に」「自力自在」というコメントになりますが、自分より実力の高い選手がいるのは明らかで、強い選手に乗って行きたいという場合は「前々自力」「前々自在」「前を取って」というコメントが自ずと多くなります。「内枠を活かす」「好枠活かしたい」というのも前を取って、展開に合わせて有利な位置を取ろうということ。「前々で臨機応変」ということなのです。

一方、前が取れそうにない、外枠でうしろからのレースになりそうな選手は「取れた位置から」「動く人に乗って」「流れを見ながら」といったコメントになります。

ガールズケイリンはルール上、ラインが組めないのですが、強い選手のうしろに付いて風よけになってもらうという戦術は取れます。後団から飛び出す強い選手に合わせて付いていくのは難しいですが、前団で構えていれば飛びつきやすい。

最近のガールズケイリンではこの戦術で結果を残している選手が何人か出てきていますので、「差」「マーク」の決まり手が多い選手が内枠に入って「前々」というコメントを出していたら、狙い目であることを覚えておきましょう。

以上、選手コメントを深読みしていきましたが、いかがでしたでしょうか。

もちろん、素直な気持ちをそのままコメントする選手もいますが、へそ曲がりな選手もいます。「この選手がこう言っているなら間違いない!」とか「この選手がこう言っているのなら、逆張り!」など、同じコメントでも選手ごとに違う受け取り方があることまで見えてくると、さらに競輪のおもしろさが深まってきますよ♪

文・ウエノミツアキ

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