FC町田ゼルビアをテーマにした初のサッカーリアリティーショー『FC町田ゼルビアを作ろう~ゼルつく~』(AbemaTV)で、番組の代表を務めるサポーター歴14年の谷原章介が、FC町田ゼルビアの藤田晋オーナーと対談を実施。藤田オーナーの口から「来年からがスタート」と、新シーズンへの展望が明かされた。
2018シーズンにJ1昇格争いに食い込む4位となったゼルビア。ところがJ1ライセンスを取得しておらず、悲願のJ1昇格は果たせなかった。しかし今シーズンは、サイバーエージェントが経営参画して約11億円の資本を投下し、J1昇格に必要なクラブハウスの建設や芝のグラウンドの設置を行い、昇格への障害はなくなった。
期待されたシーズンだったが、蓋を開けてみるとJ2残留争いに巻き込まれ、ホームでわずか3勝と不甲斐ない結果に終わってしまった。
この結果を見て藤田オーナーは「世界的に見ても、選手の強化費がほぼ順位に連動している。今の予算からは妥当な順位」と冷静に分析する。ゼルビアの人件費は2億7800万円でこれはJリーグ全体で39位。J2を優勝した柏レイソルの28億600万円のわずかに約10分の1となっている。そういった限られた予算だからこそ「逆に去年の相馬直樹監督と選手が凄かった」と藤田オーナーは言う。
今年の成績に比例するように観客動員数も苦戦を強いられた。平均入場者数は4718人で、これはJ1、J2を合わせて下から2番目の不名誉な記録。「経営的にファンを増やすことやサポーターを大事にするための手数が足りていない。問題はいくつもある」と課題が多く残った2019シーズンとなったようだ。
そんななか「来年からがスタート」と藤田オーナーがいうように、来シーズンのゼルビアは様々な面で大きく変わっていくようだ。
チームとしては相馬監督が退任し、かつてチームを率いてJFLからJ2昇格に導いたランコ・ポポヴィッチ氏の復帰が発表された。藤田オーナーによると数名の候補者がいたなかでポポヴィッチ氏は「(費用が)一番高かった」が、それでも縁ある名将を連れてくる決断をした。
「ポポヴィッチさんは攻撃的なサッカーをするので、ぜひいってくれ(連れてきてくれ)という感じだった。AbemaTVは、コンテンツとしてサッカーチームを育てたいと思っている。次はより攻撃的なチームになって欲しかったので、ポポヴィッチさんが来てうれしい」
さらに選手補強についても「GMや強化部とは直接やり取りしている。『予算を少しオーバーしてもいいから、いい選手を連れてきてくれ』と言っている」ようで、「見ていておもしろいような、ワクワクするなという期待できるチームにして欲しい」と、苦しい時期が長かった今シーズンを払拭するような陣容を揃えている段階のようだ。
当然ながら集客面にも力を入れる。「来シーズン、力を入れたいものは?」の質問に「まず、集客が弱いのでファンの数を増やす。ゼルビアサポーターを増やすところを1番の目標数値にする」と力強く答える。
その1つの施策としてあげられたのが、町田市立陸上競技場へのアクセスだ。試合日には最寄駅からのシャトルバスが運行しているが、その本数は少なく、通常は小田急線町田駅からバスと徒歩で1時間くらいを要する。藤田オーナーも大きな問題として考えているようで「直通のバスを増やす。そういう部分は個人としてもできることをやりたい」と改善に努めると約束した。
そのほかにも「問題は相当ある」と分析する藤田オーナー。来季は「経営の手数、打ち手をいっぱい増やして、町田の経営はさすがだなとなるように大友社長と話している。帰りのバスだけじゃないけど、(問題は)相当数ある。いろいろなものを進化していこう」と、チームとしてもクラブとしても来季は飛躍の1年となりそうだ。
(AbemaTV/「FC町田ゼルビアをつくろう~ゼルつく~」)