競輪界最高峰のレース「KEIRINグランプリ2019(GP)」が12月30日(月)に立川競輪場で開催されます。
その年の競輪王者を決める一発勝負は1985年に創設されました。
第1回の選手選考基準は5大大会と呼ばれていた競輪祭、日本選手権、高松宮記念杯、オールスター、全日本選抜の優勝者と世界選手権自転車競技大会プロ・スプリント優勝者およびS級勝率・勝利数・賞金獲得額第1位の9名を基本に、達しないときはS級勝率上位者より順次選抜するという形が取られたのです。
現在の選考基準は6つのG1レース優勝者に加え、年間獲得賞金額上位者より順に9名まで選ぶことになっています(※選手選考委員会が特に認めた選手も含む)。
優勝賞金はなんと1億円!
第1回の優勝者は中野浩一氏で、賞金は1,000万円でした。
その後、賞金は少しずつ増額されて、1997年から7,000万円となり、2004年からは1億円に増額され、今でも約1億円に設定されています(今年は副賞込みで1億340万円になる見通し)。
第1回以降も12月30日に開催されたことでファンの間で定着。2007年までは年末の公営競技ビッグレースである中山大障害(競馬)、有馬記念(競馬)、東京大賞典(競馬)、スーパースター王座決定戦(オートレース)などの最後に行われてきたため、「ギャンブル総決算」や「公営競技最後の大一番」と言われていたのです。
2008年以降はスーパースター王座決定戦などが大晦日に行われるようになったため、公営競技では最後じゃなくなりましたが、競輪界としてはグランドフィナーレであり、その年のトップ・オブ・ザ・トップを決める最大の大会には間違いありません。
現在ではグランプリ前々日の12月28日には「ガールズグランプリ」、前日の12月29日には「ヤンググランプリ」が開催され、その3日間の「グランプリシリーズ」には「寺内大吉記念杯競輪」がアンダーカードとして開催されています。
今年の会場は立川競輪場
それらが行われるのは立川競輪場。第1回大会と同じ会場です。
グランプリの開催場は各競輪場による持ち回りとされていますが、大量の観客を収容できるようにと首都圏近郊の競輪場が選ばれてきました。結果、2013年までに開催実績があるのは立川競輪場、平塚競輪場、京王閣競輪場の3場のみです。しかも立川→平塚→京王閣→立川→……という順番で、ローテーションで選ばれていたのです。
この3場以外では初めて、2014年に岸和田競輪場で開催されて話題となりました。そして昨年は静岡競輪場で開催。今年は3年ぶりに立川へ戻ってきます。ちなみに来年は3年ぶりに平塚へ戻ってくる予定です。
立川競輪場は400メートルバンク。グランプリでは7周、2,825メートルで争われます。過去の開催もすべて2,825メートルで、競輪の全レースの中で最も周回が多いレースとなっています。立川競輪場のシンボルマークは白頭鷲。立川でグランプリが行われるときは必ずカッコイイ白頭鷲がポスターに描かれているので見てみてください。
立川は全国でも有数の長い直線が特徴となっています。今年は9月から2カ月かけて補修がなされたため、ヒビのない走りやすい走路になりました。ただし、ウォークトップを塗り直したばかりなので重い印象があるという声も聞かれます。元々、重いと評判のバンク。冬は寒さが厳しくて、ますます重く感じるという中、塗装でさらに重みが増すとなると有利と言われている捲りや追い込みがあまり効かなくなるのでしょうか……。
そう、立川といえば逃げより捲りが優勢。カントを使って外から追い込むと直線でよく伸びるので、捲っている選手のさらに上を捲って行くという、交わしの交わしといった展開も見られるほどの捲りバンク。しかしながら、冬場から春頃まではバックの向かい風が強く、捲りに行くタイミングが非常に難しいとされています(踏み出しのタイミングで向かい風だと脚を使ってしまうから)。
ジャンでバックから3コーナー抜けたところで山を上り、カントを使って4コーナーから山おろしよろしく前団を一気にカマしてホームで前に出てしまったほうが楽なのですが、最後まで脚をもたせるにはペース配分が重要。結果、最終4コーナーで捲りにきた選手に、同じようにカントを使った伸びで交わされてしまっては元も子もないでしょう。いずれにしても見どころは4コーナー辺りということになります。
立川競輪場のおすすめグルメ
その4コーナー付近には2016年にスタンドを取り壊して出来た「市民の丘」という名の広場があるので、車券で熱くなったときのクールダウンにはベスト。その奥、北門から入ってすぐの場所には食堂や売店がズラッと並んでいるので腹ごしらえをするのにも便利なエリアです。
腹ぺこでガッツリ定食を食べるなら「六号亭食堂」がオススメ。「上勝定食(950円)」で運気を上げていきましょう!
競輪ファンなら外して買いたくなる番号でおなじみ「468(ヨーロッパ)」を冠しているお店は、全国のご当地インスタントラーメンを取り揃えているという変わり種。お湯を注ぐだけではなく、店員さんがちゃんと作ってくれるのでさらにおいしくいただけますよ。
そして筆者が行くと必ず食べて、おかわりもしちゃうのが「ふらんこ」の「アジフライ(150円)」。そんじょそこらのアジフライとは比べものにならないほど、ふっくらしていて美味うますぎます。これを「生ビール(400円)」で流し込みながら市民の丘を眺めていると「あぁ、立川に来たなぁ……よし、勝つぞ!」と気合いが入りますので、是非お試しを♪
年末最後の競輪界最大の祭典「KEIRINグランプリ2019」。
行ける人は本場で、行けない人もネットやライブ配信で、今年の総決算を楽しみましょう♪
文・ウエノミツアキ